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ニュ-ジ-ランド利下げ レッグメイソンの観方

レッグ・メイソン・アセット・マネジメント
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は5月8日、大方の市場予想通り、政策金利を0.25%引き下げ、過去最低の1.50%とする決定を下しました(図1)。RBNZによる利下げは2016年11月以来、2年半ぶりとなります。
金融政策委員会の声明文では、「雇用と物価の見通しを支援するため、委員会は政策金利の引き下げが必要と判断した」との見方が示されました。
また、金融政策委員会の声明文の景気判断に関する箇所では、2018年後半からニュージーランドの経済成長が減速している点に言及がなされました。RBNZでは景気減速要因として、移民流入の鈍化による人口増加率の低下、住宅価格の軟調、企業景況感の低迷や企業の利益率低下などによる投資の抑制などを挙げています。
RBNZの経済見通しによれば、ニュージーランドの実質GDP成長率は2018年後半から潜在成長率を下回る傾向にあり、直近2018年10-12月期の前年比+2.3%から2019年4-6月期には前年比+2.0%まで鈍化が予想されています。RBNZが公表した四半期金融政策報告(2019年5月)では、「景気下支えのためより緩和的な金融政策スタンスが必要」との言及がなされました。
一方、RBNZは労働市場に関して「完全雇用の水準に近い」との判断をしつつ、「雇用増の見通しは弱く、インフレ圧力の高まりは緩やかに留まる」との見通しを示しました。
RBNZが示した先行きの金利見通しでは、年内は政策金利を据え置き、2020年に追加利下げの可能性が残されていることが示唆されています。当面のRBNZの金融政策は、景気動向を見据えた様子見姿勢が続きそうです。

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