fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

米国 インフレ率が広範囲に鈍化なら利下げする公算

トランプ米大統領は利下げ要請を通じ、目標を下回って推移するインフレにどう対応すべきかという米連邦準備制度内部の議論に口を挟んだ。最終的に大統領の主張が通ると想定したとしても、全く見当違いとは言えないようだ。
金融緩和を訴えるトランプ大統領ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長は、金融当局に方針転換を求める大義名分として、拡大を続ける経済の下でもインフレ加速の勢いに乏しい点に何度も言及している。
5日発表の3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことが伝えられた後、トランプ大統領は記者団に「米金融当局は利下げすべきだ。当局が経済を減速させたのは間違いない。インフレはない」と指摘。低インフレを強調することで、その理由解明に苦慮してきた米金融当局者にとって微妙なテーマに触れた。
2018年に4回利上げした金融当局は、インフレの低迷ぶりに驚き、次の動きを決定する上で辛抱強くなれる理由として「抑制された」物価圧力に言及している。実際に連邦準備制度理事会FRB)のパウエル議長は、2%という対称的な物価目標を「納得いく形で」達成したという感触は得ていないと述べている。
クドロー委員長はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「ここで大きな意見の不一致があるのかは分からない。タイミングの問題かもしれない」と指摘。その上で、FRBのパウエル議長やクラリダ副議長の最近の発言を踏まえ、政権と金融当局との間に金融政策の問題をめぐってさほど大きな隔たりがあるとは考えておらず「共通認識に達しつつあると思う」との見方を示した。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場の取引からは、投資家も米金融当局による利下げは時間の問題と納得している様子がうかがわれる。FRBに26年勤務した経歴を持ち現在はドイチェ・バンク・セキュリティーズのチーフエコノミストを務めるピーター・フーパー氏は、インフレ率が広範囲に鈍化するなら、当局は利下げする公算が大きいと予想している。(ブルームバーグ