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米国株は4割下落、2020年代には財政危機に

レーガン政権で行政管理予算局長を務めたDavid Stockman氏が、米国株市場の4割以上の下落を予想した。
さらに2020年代には米国が深刻な財政危機に陥ると予想している。
ストックマン氏がCNBCで危うい米市場の現状を警告した。
従前からの弱気予想を継続し、S&P 500にして1,600以下までの下落を予想した。
これは足元と比べて4割を超す下げだ。
ストックマン氏は、今回の景気サイクルが終わりに近づいていると分析する。
来年か再来年には景気後退入りを予想する。
株式市場もすでにピークを打ったとし、昨年9月のS&P 500指数2,940が今サイクルのピークだったという。
「これが今後長い間でのピークとなるだろう。
トランプは愚かにも株式市場を自分の手柄にしてしまったんだ。」
ストックマン氏は景気後退・弱気相場を予想する根拠として世界経済、輸出、欧州、中国、国内統計などを挙げたが、もう1つ重大な理由がある。
社会保障制度とトランプ政権が生み出す米財政の悪化だ。
ストックマン氏は財政問題を大きなリスクと指摘し、市場も政府もこれを看過している現状を危ぶんでいる。
米国は2020年代に財政危機に陥るだろう。
ベビー・ブーマーの全体が引退し、社会保障とメディケアの負担高騰が不可避になる。

●債券王ことDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が問う。「景気後退に入ったら何がおこるんだ?」
1つは大統領選への影響。
景気が悪化すれば、経済を売り物にしてきた現職大統領には大きな逆風となる。
穏健な中道が勢力を伸ばせない今、極端主義のポピュリストが政権を取り、財政悪化の第2章を開くかもしれない。
もちろん現職が再選しても問題だらけなのは、メキシコとの国境に壁を建設しようとしていることからも明らか。
「これ(財政悪化)はどんどん注目を集め、またそうあるべきだ。・・・大統領は国家債務削減を公約に選挙を戦ったのだから衝撃的だ。今では債務は22兆ドルと、経済成長の中で年約1.5兆ドルものペースで増えている。」
好景気の時期、(ケインズも言ったとおり)財政政策は緊縮気味にするのが定石。
こうすることで財政を立て直し、次の景気後退時の財政出動の余地を作っておく。
ところが、今回の好景気では債務は拡大している。
これがガンドラック氏の問い「景気後退に入ったら何がおこるんだ?」への2つめの答。
ガンドラック氏は、財政赤字(単年度)がGDPの13%まで上昇しうると予想し、これが米ドル相場の下落をもたらすとして、従前からのドル安予想を維持した。
その他の主なコメントは次のとおり:
米国株: FRBの「180度転回」でリバウンドしたが、「株式市場は過去も今も弱気相場だ」。
2019年中に昨年12月安値を割り込むと予想。
社債: BBB格は次の景気後退でジャンク級に転落するリスク。
米イールド・カーブ: スティープ化を予想するが、FRBが日本並みの非伝統的金融政策を始めればカーブは逆転すると指摘。