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米国 90日以上延滞している自動車ローンが過去20年間で最多

ニューヨーク連銀は12日、昨年末時点で90日以上延滞している自動車ローンが過去20年間で最多の700万件超を記録したと発表した。全体的に借り入れが増加する中で、自動車ローンの延滞率は2012年以来の高水準となった。昨年通年の自動車ローンの組成額は5840億ドル(約65兆円)と過去最高だった。
同連銀の発表によると、信用度が低いサブプライム層(借り入れ時の信用スコアが620未満の借り手)が自動車ローンの返済実績の悪化に拍車をかけた。自動車ローン全体に占めるサブプライム層の割合は昨年10~12月に、10年4~6月以来の高水準となった。
今回のデータは、米国の経済成長の余地が少ないことをうかがわせた。同連銀のエコノミストは「全ての米国人が力強い労働市場から恩恵を受けているわけではないことを示している」と指摘した。
また、ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、エレーナ・シュルヤティエバ氏は「自動車の販売低迷とローンの延滞率上昇は今後の予兆かもしれない」と指摘。「リセッション(景気後退)入りする確率は引き続き低いものの、最近の動向は米国経済が景気循環の後期に入ったとのわれわれの予想を裏付けている」と分析した。
自動車価格や借入金利が上昇する中、サブプライム層向け自動車ローンの返済実績が悪化している。
米自動車業界調査会社ケリー・ブルー・ブックによると、昨年の米国の新車の平均価格は3万6000ドル以上であり、前年比で3%上昇した。
同連銀のミクロ経済データセンターの管理者、ジョエル・スカーリー氏は声明で「各金融機関が融資基準を厳格化する中でも、自動車ローンの返済実績は徐々に悪化している。主たる原因はサブプライム層のローンの延滞率の上昇であり、特に若い借り手が返済に苦戦している」と説明した。(ブルームバーグ