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米国経済 『打ち出の小槌』合法化賭博効果も1Qまで

昨年5月に、米国経済のGDPがなぜ急拡大するのかについて説明しました。

米国の経済規模は、およそ年間2兆ドル弱。これには、スポ-ツ賭博やマリファナ取引は含まれていない数値です。
スポ-ツ賭博の違法時代(2018年5月以前)で、賭博市場規模は年1500憶ドルの取引があったとされます。それは、実にGDPの7.5%に相当する金額です。しかし、非合法の賭博はもちろん正規の経済活動としてカウントされず、それまではGDP算出対象には含まれていなかった。
しかし、2018年5月以降、スポ-ツ賭博が合法賭博となり、GDP算出の対象となった。そのため、米国のGDPの4半期ベ-スで2Q(4~6月期)に前期比年率で+4.1%と跳ね上がり、3Q(7~9月期)でも+3.5%に及んだ。
だからと言って、賭博市場を仕切る者がすべて確定申告をして所得税を素直に納めるわけではない。脱税した方が儲かるのは当たり前ですから(苦笑)
英国は売春行為を合法として、売春婦が確定申告した所得はGDP算出に含んでいるが、米国では売春はいまだ違法のためGDPには含まれていない。
その代わり、マリファナが一部の州では合法化され、スポ-ツ賭博とともに米国のGDPの押し上げに寄与している。
その違法行為、非合法行為が合法化された米国GDP押し上げ効果も、2019年1Qまでで、2Qからは前年比でそれほど押し上げられる効果は無くなり、3Qからは全く無くなる。私fxdondonが米国の2019年GDPで3Qの成長がピタっと止まるといっているのはそのためです。今年に入ってスポ-ツ賭博市場、マリファナ市場が拡大しているかも知れませんが、顕著な押し上げ効果は期待できないものと観ています。
一部のエコノミストや市場関係者が、2019年のうちに米国経済がリセッションに陥るという理由はここにあります。ただ、2019年4Qから2020年1Qの2四半期連続のマイナス成長で、リセッション入りが確定されるのではないでしょうか。その後は、ニ-マルショックにより世界経済が低迷期を迎え、長らく続いてきたバブル経済の本格的な負の清算が始まるものと観ています。