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株安相場 今後どうなる?

My Big Apple NYは
12月21日のNY時間午後5時23分に冬至がやってきた。その頃のウォール・ストリート金融危機以来の最悪期に入り、ダウは過去最高値から8.36%下落、S&P500は6.87%下落、ナスダックに至っては弱気相場入りを指す22%安を記録した。12月17日週は、米株相場の時価総額を2.05兆ドル吹き飛ばしたことになる。
悪いことは重なるもので、NY時間の20日マティス国防長官の辞任が報じられたほか、トランプ大統領がつなぎ予算を承認せず22日の午前12時1分から政府機関が閉鎖されてしまった。
もっとも、米株安の引き金を引いたのは米連邦公開市場委員会FOMC)だ。市場予想通り25bpの利上げを行い、FF金利誘導目標を2.25〜2.5%ヘ引き上げ、声明では「幾分のさらなる利上げ」が適切との見方を示した。声明文の変更は、ドット・プロットの下方修正の影響を打ち消したと言えよう。2019年は2回の利上げが見込まれ9月時点の3回から修正された。その一方で、パウエルFRB議長は記者会見で資産圧縮を継続する意思をあらためて表明した。
バンク・オブ・アメリカメリルリンチマイケル・ハートネット氏率いるストラテジスト・チームは、世界株安と社債の下落は、金融政策の引き締めの影響と指摘とし、さらなるリスク資産の下落に警鐘を鳴らす。リスク資産の下落は、常に金融イベントをもたらしてきただけに、今回が例外のケースになるとは言い切れない。
債券王と呼ばれるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏はFedの利上げに反対しつつ弱気相場入りを宣言。ソロス氏のクォンタム・ファンドの運用者だったことで知られるドゥケイン・ファミリー・オフィス会長兼CEOのスタンリー・ドラッケンミラー氏もWSJ紙に寄稿し米景気減速を理由にFedの利上げと資産圧縮に疑問を投げかけました。ドラッケンミラー氏は9月の段階で「相当な混乱」が起こるまでは利上げを継続すべきと主張していましたが、足元の相場変調を受けて見方を変更したもようです。
著名投資家による悲観的な見解が米株などリスク資産の売りを後押しする一方、この方はマーケットの悲観派に自重するよう呼びかけます。アリアンツの首席経済アドバイザーのモハメド・エラリアン氏で、「労働市場が拡大し、賃金が上昇し、設備投資が確認でき、政府支出が増大する時期に景気後退に陥ることは極めて難しい」と発言。その上で、景気後退入りを予想する悲観的な見解などがまさに景気後退入りを招きかねないと注意を呼びかけていました。果たして、どちらの見方が正しいのか。パウエルFRB議長をはじめとしたFOMC参加者の発言で、明らかになっていくのでしょう。