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どうなる米国の利上げ?

2019年に米国が2回以上の利上げに踏み切るか否かについて、市場では疑問が高まっている。12月18〜19日開催のFOMCでの利上げは確実とされ、FF先物市場の織り込み度も74%だが、9月25〜26日開催のFOMCで公表した経済・金利見通しで示したような、2019年に年3回の利上げが実現するかは微妙。FF先物市場では、2019年の利上げについて今後1回しか織り込んでいない。
米7〜9月期の実質GDP成長率は前期比年率3.5%増、失業率は10月に3.7%と49年ぶりの低水準、非農業部門就労者数も25.0万人増だったが、こうした経済指標は過去の数字であり、その他の指標はそれほど明るくない。
それに、FRB保有資産の圧縮効果を過小評価しているところがある。現在までの資産圧縮で、0.5%の利上げに相当するとの指摘がある。仮に月当たり500億ドルのペースで保有資産を圧縮すれば、2019年末には2.2%の利上げを行うことと同然だという。
FRBは2017年10月から保有資産の圧縮に踏み切り、これまで米国債住宅ローン担保証券など合わせて3,000億ドル縮小したと同時に、5,000億ドル相当を金融システムから吸収した。

ブルームバーグは、NY連銀総裁が低過ぎるインフレ回避に留意していることを伝えている。

ブルームバーグ
米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は金融引き締めと緩和の境目となる中立金利が低下している環境では、インフレ率が高過ぎる状況よりも、むしろ低過ぎる状況にならないよう当局は努めることになるとの見解を示した。
ウィリアムズ総裁は景気低迷に直面する状況でインフレ目標という基本戦略を維持し、積極的な伝統的・非伝統的政策措置の組み合わせに依存するのは、「インフレ期待が低過ぎる水準で定着するリスクを伴う」と述べた。
人口動態や、安全で流動性のある資産への需要、生産性の低い伸びが影響し、この数十年に金利は世界的に低下。ウィリアムズ総裁は、この傾向が「予測可能な将来において」続くと想定するのは妥当だとの見解を示した。

米国の人口動態でも、高齢化は進んでいる。

ロイター
米国の家庭が、年を重ねつつある。家屋ではなく、そこに住む人間の話だ。ハーバード大学住宅研究共同センター(JCHS)によると、世帯主が50歳以上の米国の世帯数は、2016年は全体の55%にあたる約6500万世帯だった。
同センターが記録を取り始めた1960年以降で最も高い割合であり、おそらく米国史上最大だ。
今後、ベビーブーマーが70歳代や80歳代を迎えるにつれ、米国の世帯像は一層の高齢化が進むことになる。
同センターの報告書では、現在50歳代の人が最も大きな困難に直面することになるとの指摘だ。現在の高齢者世代よりも、収入や財産が少ない状態で退職を迎えるためだという。この世代の人々は、手が届く家賃や価格で、年齢に適した造りの住宅が不足するため、住宅危機に直面することになるという。
米国は、十分な準備をしているだろうか。それにはほど遠いのが実情だ。
報告書によると、80歳以上の世帯数は1990─2016年に71%増え、約750万世帯となった。そして、ベビーブーマーの高齢化で、2037年までにさらに倍以上になる見通しだ。
既に退職した人が世帯主の家庭の収入は、近年大きく上昇している。例えば、65─79歳の世帯の収入の中央値は、2011─16年にかけて9.6%上昇し、4万4100ドル(約500万円)となっている。同じ期間に、50歳代と60歳代半ばまでの現役世帯の収入は2.6%上昇し、6万6500ドルになった。これは実質的に、金融危機後に景気が底にあった2010年の数字を下回っている。
住宅を所有している人の割合も、少し若い世帯の間では金融危機後に急激に減少している。
2017年に自宅を所有している65歳以上の世帯の割合は79%だった。だがそのすぐ下の退職を控えた世代では、持ち家率は04年以降、特に金融危機後に減少を続けている。例えば、50─64歳の世帯では、17年の持ち家率は74%で、07年の79%から大きく減らしている。
まずこれは、一般的に住宅所有との関連で考えられる「蓄財」をしているこの世代の世帯数が減っていることを意味している。そして、長期療養ケアなど大きな出費が必要になった際の最後の手段として住宅担保貸付に頼れる人も減ることになる。さらに、家賃水準のボラティリティーにさらされる人が増えることも意味する。
JCHSの報告書は、収入の3割以上を住宅費に費やす「高負担」の高齢米国人が増えていると指摘する。2016年には、そうした世帯は970万世帯で、収入の5割以上を住宅費に充てる「超高負担」の世帯もこれとは別に490万世帯あった。
ホームレスになる高齢者も増えている。住宅都市開発省のデータによると、62歳以上の「シェルターに収容されたホームレス」の数は、2007─17年にかけて48%増えている。また、JCHSの報告書は、ニューヨーク市の65歳以上のホームレスの数は、11─15年で倍近くに増えた。

原油先物も大幅安になり、インフレも抑えられる方向にある。
ドル相場は、利上げ動向で揺れそうな感じです。