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英国のEU離脱は、08年の世界金融危機より大きな打撃

サンケイ
【ロンドン=岡部伸】英中央銀行イングランド銀行(BOE)は28日、英国の欧州連合(EU)離脱で、EUとの合意案が英議会で否決され、来年3月に合意なしで離脱した場合、英国の国内総生産(GDP)が2023年末までに、16年の国民投票前と比べて最大10.5%下落するとの試算を公表した。2008年の世界金融危機より大きな打撃を受け、英経済が深刻な不況に陥る恐れがあると警告した。
財務省も同日、無秩序離脱した場合、GDPは15年後に最大9.3%減になるとの試算を発表した。合意案に基づく離脱なら最大3.9%減にとどまるとしている。
BOEは、無秩序離脱で英国の金融機関の信頼が失われ、国境での遅延が著しくなった場合、英経済は19年に8%縮小するとの見通しを示した。縮小の度合いは金融危機時の6.25%を上回り、失業率は、現在の4.1%から7.5%に上昇すると予想。不動産価格は、3割落ち込む可能性があるとした。
ハモンド財務相は同日、BBC放送で、「純粋に経済の観点から見れば、EU離脱は損失となる」との見方を示した。その上で、合意なき離脱は英経済に大打撃を与えるが、メイ首相の合意案が「損失コストを最小限にする」とし、議会に合意案の支持を訴えた。


今になって大騒ぎになっているような。
英国のEU離脱は、「08年の世界金融危機より大きな打撃」ということは前々から想像できたはずです。しかし、市場はそれを甘く観ていました。いや、多くの人が甘く観ていたと言っていいように個人的には思えました。
英国経済がここまでやってこられたのは、EUという組織の一員だったことが大きな要因です。ある意味、英国経済はEUによって守られていたとも言えます。英国の醜い「双子の赤字」も、EU諸国の一員だったからこそ大きな問題に発展せず、ここまでやってこられました。
確かに「合意なき離脱」は英国にとって最悪の事態ですが、「合意ある離脱」でもEUからの離脱に変わりがありません。「双子の赤字」による危機説は米国の代名詞的に使われてきましたが、これからは英国の代名詞にも使われるようになるでしょう。