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騒がしいブレグジット問題

[ベルリン 9日 ロイター] - ドイツのケルンにあるIW経済研究所は9日、英国が合意なしに欧州連合(EU)を離脱するハードブレグジットとなった場合、ドイツ企業には総額で年30億ユーロ(34億4000万ドル)以上の追加関税がかかってくると試算し、同国の対英輸出は最大57%減少する可能性があるとの見通しを示した。
英国とEUはともに、今月17─18日のEU首脳会議で離脱交渉の大幅な進展を図ろうとしている。
ドイツ最大の経済団体、ドイツ産業連盟(BDI)のマネジングディレクター、ヨアヒム・ラング氏は、今月の首脳会議で交渉の突破口を見いだす必要があると指摘し「そうでなければ、無秩序なブレグジットに陥り、深刻な危機をもたらす」と述べた。
ラング氏は、ハードブレグジットは欧州の企業、英およびEUの労働者に多大な困難をもたらすことになるとし、多くの企業はハードブレグジットを想定した準備をしており、物流面で不安があるとして4月から英国での生産を停止しようとする企業もあると指摘した。
IW研究所は、ハードブレグジットなら追加コストの6割前後を負担する自動車セクターが特に大きな影響を受けるとみている。
また、ドイツの国内総生産(GDP)の約5%は直接もしくは間接的に英国との貿易に関係しており、ドイツ企業にとっては3番目に重要な貿易相手国になっていると分析。「予測可能な将来にこの構図が劇的に変化する可能性がある」としている。
マルコス・ユング研究員は、ハードブレグジットの場合、ドイツから英国への輸出が急減する可能性に言及し「この恐ろしいシナリオが、政治家に建設的行動を迫るはずだ」と述べた。
長期的には、ハードブレグジットが恐らく価格上昇とドイツの物品のフローのシフトにつながると予想している。

イングランド銀行欧州連合(EU)に対し、「クリフエッジブレグジット(英国の無秩序なEU離脱)」リスクからクロスボーダーの金融サービスを守るため一段の行動を求めた。
英国のEU離脱まで6カ月を切り、英仏海峡間で事業を行う企業にとって新たな障壁が生まれる可能性が意識される中、英中銀は保険やデリバティブ、データ移転にリスクがあると指摘した。
英中銀の金融行政委員会(FPC)は9日、3日の会合を受けて公表した文書の中で「英国ではこれらリスクへの対策に大幅な進展がみられるが、EUでは限られた進展にとどまっている」と指摘。「時間が限られる中、クロスボーダー金融サービスの途絶リスクを企業が独力で完全に和らげることは不可能だ。当局が緩和措置を完了することが早急に必要となっている」とした。
EUが現行ルールの継続性を確保する行動を取らなければ、名目価値で40兆ポンドのデリバティブが英国のEU離脱後に法的な不確実性に直面。保険については、たとえ英国に拠点を構える企業が事前に欧州事業のEU移転計画を完了したとしても、EUにおける約900万の保険契約者は離脱後も依然として不確実な状況に置かれることになるという。


なんかブレグジット問題が騒がしくなってきました。こういう感じになるのはわかっていたことでしょうに。
最大の懸念は、世界の金融システムが英国発のブレグジットによってどれだけの影響を及ぼすのかということ。
現在の莫大な世界的債務バブルというエベレスト山の山頂から、崖や谷を覗き見ることになるのか、その動向に注目です。