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米国の中間選挙

米国の中間選挙は、ことし11月6日に行われます。
上院の100議席のうちの35議席と、下院の435議席すべてが改選される予定で、与党・共和党が上下両院とも多数派を維持するのか、野党・民主党が多数派を奪還するのかが焦点です。
中間選挙は、政権のこの2年間に対する国民の審判と位置づけられ、世界にさまざまな波紋を広げているトランプ大統領の働きぶりを国民がどう評価するかに注目が集まっています。
その結果は、トランプ政権の今後の行方だけでなく、2020年の大統領選挙にも影響を与えると見られるだけに、アメリカ国内では投票まで3か月を迎え、選挙ムードが徐々に高まっています。
ことしの中間選挙は、100ある上院の議席のうち35の議席、435議席ある下院のすべての議席、そして50の州のうち30の州で知事選挙が行われます。
中間選挙が終わると、次の大統領選挙の候補者選びに向けた駆け引きが表面化することが多く、11月の中間選挙は2年後の2020年の大統領選挙に向けた前哨戦とも位置づけられています。

ワシントンのシンクタンクの研究員で、アメリカ政治が専門のエリカ・ファイン氏はNHKのインタビューに対し、「アメリカには何があってもトランプ大統領を支持するという一定層が存在し、こうした人たちに支えられたトランプ大統領の人気は根強い。その一方で、民主党共和党のどちらにでも投票しうる『無党派層』のトランプ大統領が打ち出す政策に対する反発は強い」と指摘しました。
そのうえで、「中間選挙では、民主党は議会下院で過半数議席を獲得すると予想しているが、上院は現時点では不確定な状況だ」と述べ、下院では民主党が多数派を奪還する可能性があるという見方を示しました。
また、ファイン氏は「仮に下院で民主党が多数派となれば、雇用や税制をめぐり、トランプ政権とは異なる政策を提案し、政権と議会との対立は、激しいものになるだろう。そして、一部の民主党議員によって大統領の弾劾に向けた手続きが進められる可能性は高い」と述べ、いわゆる「ロシア疑惑」などをめぐってトランプ大統領の弾劾を目指す動きが勢いづく可能性を指摘しました。
一方、中間選挙での争点についてファイン氏は、「税制は多くの有権者に関係するだけに選挙に大きな影響を及ぼすだろう。また、トランプ大統領が打ち出す通商政策の結果、商品価格が上がり続ければ、トランプ大統領は人気を失うだろう」と述べ、経済政策は選挙結果を左右する大きな要因になりうるという見方を示しました。

中間選挙は歴史的に、政権与党に厳しい審判が下ることが多く、過去30年間に行われた中間選挙の結果を平均すると、政権与党は上院で4議席、下院ではおよそ22議席を失っています。
こうした中、共和党が上下両院のどちらかでも多数派を維持できなければ、トランプ大統領は難しい政権運営を迫られるうえ、議会で、いわゆる「ロシア疑惑」などをめぐってトラ
ンプ大統領の弾劾を目指す動きが勢いづくことも予想され、次の大統領選挙にも大きく影響することになります。
逆に、共和党が上下両院で多数派を維持すれば、トランプ大統領は「信任を得られた」として政権運営に大きな弾みがつくうえ、共和党内からの支持もより取り付けやすくなるため、次の大統領選挙での再選も視野に入ってきます。
中間選挙の結果、与党・共和党が引き続き上下両院で多数派を維持できるのか、それとも野党・民主党が両院のどちらかで多数派を奪還し、政権与党と議会の多数派が「ねじれ」の状態となるのか。

アメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、各種世論調査トランプ大統領の支持率の平均値は、就任当初の去年1月には歴代大統領に比べて低いおよそ44%でした。
その後少し下がったあとは、30%台後半から40%台前半で推移し、ことし3月以降は、40%を割り込むことはほとんどなく、40%台前半を維持し、就任直後の水準が続いています。
アメリカの世論調査機関「ピュー・サーチセンター」は今月(8月)公表した報告書の中で、トランプ大統領の支持率は歴代の大統領と比べて低い水準である一方で、「変動が少なく、非常に安定している」と指摘しています。
また、共和党の支持層では84%がトランプ大統領を支持すると答えていて、専門家などからは共和党支持者の間で根強い支持を維持していることが底堅さの背景にあるという見方が一般的です。
一方で、民主党の支持層では、トランプ大統領を支持するとしているのは7%にとどまっていて、支持政党ごとの評価の違いが際立っています。