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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

米中関係は修復できない

サンケイ
中国の対外純資産(対外資産-対外債務)の規模は、日本、ドイツに続く世界3位となっているが、対外資産が生み出す収益である第1次所得収支は、恒常的な赤字となっている。
外国から中国に対して行う投資の収益率は高く、国際収支上は中国の対外支払額が大きくなる一方、相対的に利回りの低い先進国などに投資する中国側の受け取りは小さくなる。
2番目に、中国では外国への直接投資や証券投資での運用は相対的に小さく、大規模な外貨準備で運用する点が特徴となっている。外貨準備は国債などの外国資産で運用されるため、安全性が高いが、収益率は一段と低くなる。
中国では、所得収支が赤字を続けるほか、海外渡航知的財産権使用に関連したサービス収支の赤字も拡大している。貿易収支はこれらを上回る黒字を計上してきたが、所得水準の向上などによる輸入増で黒字幅が縮小し、全てを合計した経常収支の黒字が縮小している。
今後も経常収支の黒字を維持するためには、日本やドイツと同様に所得収支を黒字化する必要がある。中国内外の利回り格差の解消は難しいが、対外資産の運用を政府の外貨準備から企業による直接投資・証券投資にシフトしていくことが考えられる。その実現には、為替管理の緩和などを通じて企業の海外投資を自由化する政策が求められるだけでなく、米国をはじめ、諸外国における中国の投資への警戒感を和らげることも課題となってこよう。(編集協力=日本政策投資銀行


確かに、中国にとっての理想は上記の通りだと思います。
だが、米国としたら、「2035年に中国が米国を上回る大国になる」というキンペ-の野望を打ち砕きたいわけです。
米国は中国企業による直接投資(企業買収含む)を制限、あるいは阻止して、先端技術やノウハウの流出を防ぎたい思惑があります。それが、経済発展のみならず、軍事においても重要な意味を持つからです。
中国側としたら、米国を名指しした「米国を上回る」という表現に対して仮に悪意はなかったとしても、米国側の受けとめ方は違います。「挑戦状」「宣戦布告」として、中国に対する警戒がより一層厳しくなっています。

(CNN) 世界各国で影響力の拡大を図る中国の狙いは、米国に取って代わって世界を主導する超大国となることにある――。米中央情報局(CIA)の高官がこのほど行った講演で、そんな見解を明らかにした。
CIA高官のマイケル・コリンズ氏は米コロラド州アスペンで行われた安全保障フォーラムで中国の台頭について講演し、中国の習近平政権が米国に対して「冷戦」を仕掛けていると主張した。
「彼ら自身の発言や習主席の言動から判断すると、彼らは我々に対して冷戦を仕掛けている。だが我々が経験したかつての冷戦とは異なる、実質的な冷戦だ。あらゆる手段で正当な影響力と不当な影響力を行使し、公的な力と民間力、経済力と軍事力を行使して、衝突に持ち込むことなく自分の立場に関連したライバルの座を揺るがす国家。中国は衝突を望まない」
コリンズ氏はそう語り、「中国は、いずれ世界中のあらゆる国が、政策課題に関する利益について判断する際に、米国よりも中国に付くことを望んでいる」との見方を示した。
さらに、習主席の見解を見れば、米国が現在直面している世界的課題の中で、中国が投げ掛ける脅威が最も大きいことは明らかだとコリンズ氏は指摘。「中国が我々と我々の守る物に対して仕掛ける競争は、ロシアがどう出るかよりもはるかに重大だ」と語った。
同フォーラムでは、米連邦捜査局FBI)の高官や国家情報長官などもコリンズ氏と同様に、中国を米国が現在直面している最も重大な危険と位置付けている。
 
米中関係はまず修復できないでしょう。米国にとって中国との関係「修復」とは、中国が二度とでかい口を叩けないようにすることだと思われます。
もちろん、武力による直接戦争はないでしょうが。(そう、願いたいです)