fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

トルコはどこまでデフォルトせずに耐えられるか?

市場コンセンサス
トルコ為替・経済予測
   
                 Q3/18  Q4/18  Q1/19  Q2/19
USD/TRY          4.84    5.00     5.15    5.31
トルコ10年物国債   17.51    18.33     19.19   20.09
トルコインフレ率     14.40      11.00         9.50       9.10
トルコ政策金利      17.75      17.50        15.50     12.50
GDP年間成長率       6.2         5.9            5.1        4.9
トルコ失業率          10.4        10.2          10.1        9.7
トルコ人口           82.15       82.15        83.42     83.42
企業倒産件数         915        1860          680      1090
トルコ工業生産         5.1         4.6            3.8        3.6 

市場コンセンサスでは、トルコ経済は拡大予想ながら、伸び率は低下する。
鉱工業生産伸び率は低下していくが、人口増による消費拡大でGDP全体では拡大を予想している。
しかし、人口増、消費拡大、高インフレは通貨安(トルコリラ安)に動き、トルコ国債はジャンク債扱いとなっているので、トルコ10年物国債長期金利)は19年以降20%を超えるとの観方。

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また、インフレはこのあたりがピ-クと予測しており、政策金利が今後引き下げられていく見込み。
よって、トルコリラ安は歯止めが効かず、USD/TRYではドル高トルコリラ安が進むものと観られている。

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格付け会社フィッチ・レーティングスは13日、トルコの長期ソブリン債格付けを「BB+」から「BB」に引き下げた。経常赤字の拡大やインフレ率の上昇、経済政策への信頼感の低下を理由に挙げた。格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」。
フィッチは発表資料で「この数カ月で経済政策への信頼感は悪化し、6月の選挙後の最初の行動は不透明感を高めている」と指摘。「こうした環境はトルコ経済のソフトランディングに向けた取り組みを困難にしている」と説明した。
フィッチはトルコの2018年の経常赤字が燃料価格の上昇などで国内総生産(GDP)比で6.1%に拡大すると予想。また、6月のインフレ率は15年ぶり高水準の15.4%を記録した。

そして、トルコ工業生産は先細りが見込まれ、企業倒産も増加することが予想されている。この5月には652社の企業倒産にとどまるが、年末に向かい倒産件数は急増するとの観方。トルコでは、年末あたりに倒産する企業が多いようです。

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さらに、エルドアン体制の継続により不安が増し、大手某自動車メ-カ-がトルコから撤退するような噂が絶えない。
トルコ自動車工業会(OSD)によると、6月の自動車生産台数は13万1,194台で、前年同月比7.1%減。乗用車に限ると8万5,635台で、9.7%減。 輸出台数は5.4%減の10万9,695台。うち乗用車は6万8,030台と14.5%縮小。
すでに、トルコでの生産体制を縮小しているようだが、トルコからの自動車輸出台数は月間でわずか11万台。他国での生産増強でなんとでもなる台数である。