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トルコリラ 記事から

マネーポストWeb

1トルコリラ=22円台でいよいよ大底か

5月末にトルコリラ円相場は1トルコリラ=22.22円(くりっく365)まで下落。高いスワップ金利狙いで買いポジションを持っていたFX(外国為替証拠金取引)トレーダーの中には、今後さらに下がるのではないか、と不安に思っている人も少なくないだろう。はたして、今後のトルコリラ円相場はどんな展開が予想されるのか、カリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが意識している材料について解説する。

* * *
今回は、私が意識しているトルコに関する材料についてお伝えします。お伝えするのは、下記4つの材料です。

【1】後期流動性貸出金利3%引き上げ
【2】トルコ国民へのトルコリラ替え呼びかけ
【3】6月に政策金利引き上げの可能性
【4】売買比率の変化

では早速1つ目から解説していきます。5月末にトルコ中銀は緊急利上げをしました。利上げをしたのは「後期流動性貸出金利」で13.50%から16.50%へと3%引き上げ、「金融政策の信頼を回復させるべくあらゆる手段を活用し続ける」とのコメントも出しています。
そして、2つ目の材料に移りますが、「あらゆる手段を活用し続ける」との言葉通り、5月末に「トルコ国民に対し、保有している外貨をトルコリラに替えるよう呼びかけた」との報道がありました。
あまりにトルコリラが売られたので、国民にまで呼びかけてこれ以上の下落を何とか食い止めようとしているわけですが、このような呼びかけは過去に例がありません。「何としてでも食い止めなければいけない」という思いが伝わってきますし、買い支え効果が生まれる可能性が想定されます。
続いて3つ目の材料です。「5月の消費者物価指数を算出し、その結果によってあまりにもインフレが進行していると判断された場合は政策金利を引き上げる考えがある」との報道がありました。
先にお伝えしたように5月末には「後期流動性貸出金利」が引き上げられましたが、6月7日にトルコ政策金利が引き上げられる可能性も出てきています。
4つ目は「売買比率」に関する材料です。私はトレードをする際、常に売買比率を意識していますが、くりっく365における売買比率を確認すると、5月末に1トルコリラ=22円台にまで下落したタイミングで、それまで約29万枚あった買い残が約6万枚減り、約23万枚になっていました。
金管理ができておらず、強制ロスカットに引っかかってしまった個人トレーダーの方や、恐怖心からいったん自らロスカットをされた方も多かったのではないかと想定されます。
トルコリラは高金利通貨ではありますが、受け取る金利以上に為替差損が出て、今後相場が上昇してくることを信じられず、待ちきれなくなり、ロスカットされた方も多かったのでしょう。
一方で売り残が約1万枚から約3万枚にまで増えていました。「ここまで下落したら1トルコリラ=20円の方向に下がる可能性もあるのでは?」と考えて、それまでスワップ金利狙いで買いポジションを持っていた方が、リスクヘッジのためにいったん売りを入れた可能性も考えられます。
このようにここ最近は買い残が減り、売り残が増える状況になっています。と言ってもまだ買い残の方が圧倒的に多い状況ではありますが、現状の売買比率を考慮すると、今後相場が下げづらくなる可能性が考えられます。

以上、トルコリラ円相場に関して現在私が意識している4つの材料を紹介させてもらいましたが、これらは全てトルコリラ買いにつながる可能性のある材料ですね。
ここから一方方向に上昇していくということは考えづらいことですが、現段階では1トルコリラ=22.22円がいよいよ大底になった可能性も私は意識しています。
いずれにしても、いついかなる時も必要以上に下落を恐れることなくテクニカル分析によってしっかりとチャートを見極め、利益を積み重ねることが大切だと私は考えています。もちろん資金管理も忘れません。

【PROFILE】池辺雪子

トルコリラが分岐点を迎えている。政策金利17.75%(2018年6月時点)のトルコリラによる「スワップ投資」は日本人に人気だが、2018年前半のトルコリラは対円でたびたび最安値を更新するなど、トルコリラ安に悩まされた。
トルコリラ安は、トルコの大統領エルドアンも原因の一端と考えられ、6月24日実施の大統領選が、今後のトルコリラを占うターニングポイントになると市場から注目を集めていた。結果としてはエルドアン大統領が再選し、同時に行われた総選挙でも与党が過半数議席を獲得した。
エルドアン大統領再選によるトルコリラへの影響はどのようなものが考えられるだろうか。これまでのトルコリラ情勢を整理するために、トルコ人エコノミストのエミン・ユルマズさんに話を伺った。
「昨今のトルコリラ安はエルドアン大統領が引き起こしているといっても過言ではありません。政権への不信感によって、トルコリラ安を招いています。そして、もうひとつの大きな原因が『ドル高』です。今年10%以上もトルコリラが下落したのはドル高に起因しており、なかでも米国債の影響は大きいです」(ユルマズさん・「」内以下同)
トルコリラに限らず、新興国通貨安を引き起こしている根元は、米国債にあると指摘する。アメリカは今年1兆3000億ドルもの国債を発行する見込みで、発行額は昨年の2倍以上。今まで大量の国債保有してきたFRB連邦準備制度理事会)はバランスシート縮小に伴い、国債保有を積極的に行わなくなるなか、FRBの代わりに投資家勢が米国債の買い手となったようだ。
「投資家の間で、新興国通貨を売り、米国債を買う動きが多く見られるようになりました。米国債を購入する資金をつくるため、それまで保有していたトルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドといった新興国通貨全般が売られやすくなったと考えられます。こういった需給の面で、トルコリラも下落せざるを得ない状況でした」
トルコリラ/円が中長期で上昇するには、トルコ自体の経済も重要。トルコのGDPは年々上向いてきており、ファンダメンタルズは良くなっているように思える。
「トルコの国力は上がってきて、GDPも年々上向いてはいますが、足元はトルコリラ安と高インフレに悩まされています。トルコは輸入に頼る国なので、日本とは逆で『トルコリラ高』の方が国民にとっては嬉しいのです。今はトルコリラ安と物価が上昇しすぎているので、国民の生活は苦しいものがあります」
政策金利をあげて、金融の引き締めをさらに行えばトルコリラ安は改善されるかもしれないが、大統領選までのエルドアン発言を見ると、利下げを望んでいるようにも見える。政策金利が下がれば、借り入れコストが下がり、国内景気の刺激になるという思惑のようだが、支持基盤を確保するための選挙対策ともいわれていた。ただ、エルドアン大統領は政策を180度変えることもしばしばで、大統領再任も果たしたので、急遽利上げの姿勢に転ずる可能性も否定できない。
ユルマズさんは「トルコリラ/円は一時的に1トルコリラ=22円を割る可能性もあるが、ファンダメンタルズなどを総合的に考えると、そこまで悲観的になることはない」ともいう。

トルコリラは今が買い場? 投資前に気をつける点

今のトルコリラ相場は買い場とも考えられなくはないが、気をつけたい点がある。
トルコリラスワップ投資はやり方に注意すれば、合理的な投資法とも考えています。やり方というのはリスク管理です。今年のトルコリラのように、新興国通貨全般が安くなるようなマーケット全般のリスク(市場リスク)とトルコ自体のリスク(個別リスク)に備えなければいけません。グローバルでマーケットが好調でも個別リスクによりロスカットになってしまった、というケースもあります。そういったことを踏まえると、資金には余裕をもたせて中長期的なプランのもと始めたほうが賢明でしょう」

【PROFILE】エミン・ユルマズ:エコノミスト、為替ストラテジスト。


私fxdondon的考察

トルコリラ/円についての記事だが、止めておいた方が無難、と申し上げる。
これから世界経済が上向く時代ならともかく、世の中は悲観材料出現待ちの状況にある。
トランプ政策、中国経済動向、各国経済指標など、何が飛び出すかわからない状況にあり、良いサプライズより悪いサプライズが起こる状況にある。
米中追加関税が6日に発動されるが、報復に次ぐ報復でまったく終わりが見えない。お互い、傷み分け、我慢比べで、気づいてみたらリセッション入りしているなんてこともあり得る。
トルコリラに限らず、新興国通貨は悲観にならざるを得ないのが個人的推察です。