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主要中銀、QEからQTにシフト-世界が失う流動性は1.4兆ドル

ブルームバーグ
●年初来の中銀資産購入1250億ドル、17年は1.5兆ドルペースとの試算
流動性の明白な縮小、6-8カ月で起きる-BofAメリルリンチ

今聞こえているのは、世界から1兆4000億ドル(約154兆円)相当の流動性が失われつつある音だ。
世界の主要中央銀行量的緩和(QE)を巻き戻し始めたことで、量的引き締め(QT)とでも言える要因が今年に入って資産価格を左右していると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチのアナリストらは指摘する。米利上げと金融環境の引き締まりは、QEの下でパフォーマンスが良かった社債新興市場国・地域の債券などの値下がりを意味する。逆に「QEの負け組」は輝かしい成績を挙げるスターとなる。
BofAメリルの分析によると、これまで資産価格を押し上げてきた世界の流動性の波に今年は大きな変化が訪れる。米金融当局と欧州中央銀行(ECB)、日本銀行による証券購入は年初から計1250億ドル相当で、2017年の1兆5000億ドルのペースを大きく下回ると同社は試算。つまり、QEからQTへの転換を背景に1兆3800億ドル前後の流動性が市場に注入されなくなる。
同社ストラテジストらによると、流動性の明白な縮小は6ー8カ月かけて起きる。それが、世界の相場見通しにBofAメリルが弱気な理由の一つだ。
QE解消に素早く反応してきたのは米財務省短期証券(Tビル)で、利回りは着実に上昇してきた。投資家はこのチャンスを逃さず、超短期債に投資する上場投資信託ETF)への年初来の資金流入額は180億ドル近くに達し、これらETF全体の運用資産額の35%前後を占めた。ブルームバーグの集計データで分かった。また、ドルは金利上昇に伴い値上がり。ブルームバーグ・ドル指数は先週、1年ぶりの高水準を記録した。
米国での利回り上昇とドル高の影響は新興国市場に波及し、新興国がドル建て債務を返済できるか、不安が広がった。そのような債務は昨年10%増えた。
ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのストラテジスト、チャーリー・マケリゴット氏は、新興市場国・地域の株式・債券・通貨の値下がりについて、「『QEからQT』にシフトする現実が反映されている」と述べた。サンフォード・C・バーンスタインによると、新興市場投資に特化した世界のファンドからは先週、過去最高となる60億ドルの投資家資金が流出した。 


中央銀行によるジャブジャブと資金供給してきた時代から、金融緩和から中立、そして引き締めへと米国は向かっている。
世界経済がピークアウトしている中での米国の利上げは、世界経済に必ず不幸をもたらしてきた。世界の消費大国の米国が、先進国の中で最高金利であるというのが理由にあると個人的には考えます。
大量供給マネーが縮小に向かえば、マネーは量の多様した投資から、質の高い投資対象の選別へと資金移動する。  
そうなると、質の高さから、日本円、スイスフランは選好されやすくなる。