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英国 EU離脱に加え、スコットランド離脱という二重苦

スコットランドが英国から独立を目指す背景には、北海油田の存在がある。欧州最大の埋蔵量とされる石油・ガス資源はスコットランドに属し、独立すれば1人当たりの所得が年1000ポンド(約15万円)増えるという試算もある。また、スコッチウィスキーに代表されるように、世界に誇れる産業もある。
そのため、英国にしてみると、スコットランドに独立されるのは大きな痛手となる。
スコットランドでは5月5日、独立支持派による数万人規模のデモが行われており、連合王国英国から独立を目指す動きは衰えていない。
日本人には少しわかりづらいだろうが、英国を構成しているスコットランド北アイルランドウェールズイングランドというのは、日本で言うところの都道府県とは違います。1つの国が4つ集まった連合国であり、歴史の生い立ちからして日本とは違います。

さて、そのスコットランドについて、ニュ-スが飛び込んできた。もう、スコットランドは独立を前提とした口調に思えます。

ブリュッセル 28日 ロイター] - スコットランド自治政府スタージョン首相は28日、スコットランドが英国から独立しても、ユーロ圏に参加することはないと述べた。同国にポンドの維持をやめさせるようなものは「何一つ存在しない」と付け加えた。
ブリュッセルで開かれた政治ニュースサイト「ポリティコ」主催のイベントでの発言。
首相は「ユーロ圏に参加するのはわが党の方針ではない。実際問題でも、欧州連合(EU)加盟の要件でないことは明らかだ」と指摘。「ポンドは現在のスコットランドの通貨だ。誰もが知る通り、ポンドは完全に取引可能な国際通貨だ。スコットランドにポンドの使用をやめさせるものは何一つない」と語った。

要は、スコットランドが独立しても、通貨ユ-ロ加盟を目指さず、スコットランドは「スコッチポンド」を自国通貨とする考えのようです。
ただ、現在もスコッチポンドは存在します。
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ですから、「スコッチポンド」 と 「ブリティッシュポンド」 と、2種類のポンドが存在することになりますね。
それは、別に珍しいことではありません。ドルにしたって、米ドル、カナダドル、オ-ストラリアドル等ありますし、リラにしたってイタリアの元の通貨はリラで、トルコは現在もリラです。
ただ、連合政府としては、ポンドの使用を認めない方針で、独立論を押さえ込むのに必死です。
英国は、EU離脱に加え、スコットランド離脱という二重苦に見舞われる気配が濃厚になってきたようです。