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米企業が設備投資に積極的でない兆候

My Big Apple NY

米3月耐久財受注は前月比2.6%増となり、2ヵ月連続で増加している。2017年6月以来の力強い伸びとなった。
内訳をみると、輸送用機器を除く耐久財が±0%と、市場予想の0.5%増を下回った。前月の0.9%増(1.0%増から下方修正)から横ばいに転じた。輸送用機器は7.6%増と、前月の8.9%増(修正値)に届かず、ただ過去5ヵ月間で4回目の増加を示す。民間航空機が44.5%増と前月(39.1%増、修正値)に続き、輸送機器を支えた。新車販売台数が3月に回復したものの、自動車は0.1%増と前月を含め6ヵ月連続で増加した。防衛財は0.9%増、前月の15.3%増(修正値)を含め、過去5ヵ月間で4回目の増加となった。

企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財(コア資本財)は0.1%減と、過去4ヵ月間で3回目の減少となる。内訳をみると、コンピューター・電子機器、一次金属や組み立て金属、電気機器は増加している一方で、機械は減少に転じた。

国内総生産GDP)に反映されるコア資本財の出荷は0.7%減と、市場予想の0.3%増に反し減少。前月の1.0%増(修正値)を下回り、14ヵ月ぶりに減少した。

耐久財受注は、あらためて米企業が設備投資に積極的でないことを示しました。減税で押し上げられた利益は株主還元策に振り向けられるのでしょうか。
NY連銀やフィラデルフィア連銀、原油生産地域を網羅するダラス連銀では6ヵ月先の設備投資見通しが年初から低下をたどります。4月公表分のベージュブックで企業からの懸念が確認できたように、トランプ政権による保護主義寄りな通商政策を皮切りに、米中で関税応酬合戦が繰り広げられたことが一因なのでしょう。5月終盤には、知的財産権侵害をめぐる中国への関税対象品目につき、通商代表部(USTR)が結論を下す見通しで。米情報技術産業協議会(ITI)をはじめ40以上ものビジネス団体は反対の声を上げるだけに、こうした見解が反映されるか注目です。