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ECB総裁、合意なき英離脱リスク「市場は過小評価」

ロイター
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が前週、欧州連合(EU)首脳に対し、英国が条件などで合意しないままEUを離脱するリスクは金融市場でまだ完全に織り込まれていないと伝えていたことが、複数のEU当局者の話で明らかになった。
当局者によると、ドラギ総裁はEU首脳に対し、ECBとイングランド銀行(英中央銀行)、および欧州委員会は英国が合意がないままEUを離脱する事態となった場合に対しあらゆる準備を済ませたと伝えた。
ただ、民間部門の準備はまだ十分とは言えないとも指摘。当局者はドラギ総裁が「市場は合意なき離脱のリスクを過小評価している」と述べたことを明らかにした。

まぁ、仕方がないことですね。惨状を目にしないと、わからないものです。
前回の金融危機でも、サブプライムロ-ンなんて住宅ロ-ンの中でわずかなものでしかないという楽観的な観方があったものです。ところが、その僅かな腐ったサブプライムロ-ンが優良プライムロ-ンまで腐らせた。
合意なき離脱、つまり無秩序社会に陥った英国が欧州全体をも腐らせる、そういう可能性があるわけです。ドラギさんは、そのことを懸念しているのでしょう。
英国の合意なき離脱が確定した場合、株式相場、ポンド相場は一時的にも暴落するでしょうが、国債相場がどうなるか。通常はリスク回避として国債が買われるものですが、国債も暴落する可能性があります。
格付け会社は揃って格下げに動きますが、格下げが1ノッチで済みそうもありません。数ノッチ格下げの後、再び格下げと、2~3年でジャンク等級まで格下げされても不思議ではありません。
英国からEUの看板が外されることは、世間で予想されているよりも重大な事態を招くものと観ています。

さて、どのブレグジット案を支持するかを決める「示唆的投票」をおさらいしておきましょう。

4月12日に合意なき離脱――賛成160 反対400
2度目の国民投票:議会を通過した離脱協定に対し、批准の前に国民に是非を問う案――賛成268反対295
関税同盟:EU離脱後、ただちにEUとの新しい関税同盟について交渉を始める――賛成264 反対272

最大野党・労働党は議員に、2度目の国民投票など党幹部が支持する案に賛成票を入れるよう指示した。
何が何でも即刻、合意なきEU離脱を支持するのが160票。けっこう、いますね。
合意なき離脱で、すぐにEUとの新しい関税同盟を結ぶという考えがメインシナリオのように思えます。

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