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ムニューシン米財務長官 「FRBの資産圧縮加速と一段の利上げとどちらかいいですか?」

ブル-ムバ-グ
ムニューシン米財務長官は10月、金融引き締めの方法として利上げとFRB保有資産圧縮の加速のどちらを望むかと、債券ディーラーと投資家らに尋ねたことが分かった。
ムニューシン長官は10月30日に行われた米国債発行諮問委員会(TBAC)との四半期定例会合で、バランスシートの圧縮加速と一段の利上げのどちらか一方を選ぶとしたら、どちらだろうかと問い掛けたという。同長官は債券市場参加者が2つの選択肢についてどう考えているかを知りたいという好奇心から質問したと関係者の一人が述べた。
関係者のうち2人によれば、意見は分かれた。TBACには投資ファンドと銀行の代表が参加する。メンバーにはゴールドマン・サックスやシタデル、JPモルガン・チェースの幹部らが含まれる。

2008年の金融危機以降、市場から国債など債券などを買い上げることで資金の出し手となってきた中央銀行の資産残高が18年2月をピークに減少に転じ始めている点は留意しておきたいところです。
従来の金融政策というのは政策金利を変化させるだけでしたが、今回の金融政策というのは中央銀行のバランスシート上の資産も活用して金融政策が可能な限り総動員が図られたと言えます。
仮に、米国が再び利下げ局面になったとしても、FRB国債売却で資産残高を減らす場合、利下げによる金融緩和効果が相殺されることから、僅かな利下げでは金融緩和の効果は表れません。
米国の名目上での政策金利引き上げは3ヶ月に一度程度の利上げですが、FRBによる米国債売却による利上げ効果は日々続いています。
ムニューシンさん(トランプさんも)は、FRBによる国債売却による利上げ効果で十分じゃないの?という、懐疑心があるんじゃないかと思います。トランプさんは大統領という地位にありながら、FRBの利上げを堂々と批判しています。

米国でのインフレも落ち着きを見せてきており、名目上の政策金利は引き上げずに、FRBの資産縮小での利上げ効果で様子を観る、そういうスタンスに変わるのもそう遠くはないと個人的には推測します。