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レイ・ダリオ氏 現在は「景気サイクルの底から1-2年前」

Bridgewater Associatesのレイ・ダリオ(Ray Dalio)氏

現在(2018年3月時点)を「景気サイクルの底から1-2年前」の時点と明言した。
中央銀行が市場の織り込みより金融を引き締めすぎると、債券、株式、景気の順に悪影響が及んで行くだろうと言う。
独自の景気サイクル理論によると、
「生産能力の増加には一定の速度がある。その生産能力増加速度は、欧米のような先進国では年率2%をわずかに切る水準にある。それを上回る速さで需要が増加すると、サイクルの後半に差し掛かることになる。この段階では成長率は減速せざるをえない」
現在、経済はブレーキに足を置かなければいけない段階にあるのだという。
自律的な景気回復とともに、さまざまな刺激策が講じられ、需要が拡大しつつあるためです。
特に米経済について言えば、ブレーキは生産能力の制約だけではない。
減税・歳出増は経済を刺激すると同時に2つのルートでブレーキを踏むことになる。
ダリオ氏は現政権の財政政策について「アクセルとブレーキを同時に踏むようなもの」と語っている。
経済が生産能力の制約に近づいている時、財政刺激策によるアクセルとFRB引き締めによるブレーキを同時に踏むのは至難の業。永遠にアクセルを踏もうという人たちもいるだろうが、アクセルを踏めば踏むほど、ブレーキを踏まざるをえない状況に追い込まれる。だから、不況のリスクから解放されることはない。
過去4回の米景気縮小局面について検証したところ、不況に対する株式市場の先行性は単純平均で8.5ケ月程度だった。
つまり、今回10月の株価調整入りは、実体経済では8.5ヶ月後の2019年6月後半の不況入りを指していることになる。
これは偶然にも(?)、ドル/円の8年周期説で2019年後半に円が強含む時期と一致する。
米国経済のピ-クがすでに終えたことは疑う余地もありません。決して、GDPで判断してはいけません。スポ-ツ賭博、大麻関連ビジネスが合法化され、それが新たに正規の経済活動にカウントされたわけですから、成長拡大したかのように観えて当たり前です。
また、雇用状況は遅行性です。企業は、不況が予想されても人員削減を急ぎませんが、不況が現実のものとなると人員削減を急ぎます。現在の米国の雇用が絶好調なのは、数か月前の実体経済の絶好調時を反映した結果であって、実体経済の今現在を反映したものではありません。
世界経済において、最後の拠り所は米国経済です。最後の牙城とも言えます。残念ながら(?)、ダリオ氏が述べていることと、私fxdondonの考えは一致しています。