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米景気後退はある?ない?

米連邦準備制度理事会FRB)のパウエル議長は27日、ワシントンで講演し、米債券市場で長期の金利と短期の金利の水準が接近していることに関し「来年か再来年に景気後退期に入る可能性が高まっていると考えるべき理由はない」との見方を示した。
長期の金利は通常、短期の金利よりも高いが、景気拡大期の最終盤には短期の金利が長期の金利を上回ることがあり、景気後退の兆候とされる。このためFRB内には債券市場の動向を注視すべきだとの声がある。
米債券市場では、FRBの段階的な利上げに連動して2年債利回りなど比較的短期の金利が上昇し、10年債利回りなどとの差が接近してきている。(共同)

大物投資家は今後の米ドル安を予想

世界のコモディティ王といわれるデニス・ガートマン氏が、仮想通貨を無価値と言い切った。
Real Goldには強気でも、Digital Goldに対しては相変わらず厳しい。
「投資家は資産の中に金をいくらか、5-10%ほど入れるべきだ。久しぶりに金をドル建てで保有することに意味が出てきた。」
コモディティ王が ETF.com のインタビューで、ある程度の金保有を奨めている。これまではユーロ建てや円建てでの金投資を奨めていたが、今回は米ドル建てでの保有を見直している。
ガートマン氏は米ドル相場が軟化すると見ているのだろう。
無価値なものに高い価格がついている理由の1つとして、ガートマン氏は投資家の錯覚に言及している。
人々が仮想通貨をブロックチェーン技術と同一視する傾向があり、その錯覚が価格に影響していると示唆した。
ガートマン氏は、仮想通貨市場が今後も下落傾向を続けると見ている。

新債券王ことDoubleline Capitalのジェフリ-・ガンドラック氏が、米長期・超長期金利低下の可能性を示唆した。
また、米ドル相場については今後のドル安を予想している。
「債券価格上昇と10年債利回り低下のカタリストとなる何かが起これば、ショート・ポジションのカバーにみんな殺到するだろう。もしもそうなれば2.25%までいくかもしれない。もちろんこれは長期側の話だ。」
ガンドラック氏がウェブキャストで米長期・超長期金利低下の可能性を示唆したとロイタ-が伝えた。
同氏は以前も10年・30年債でショート・ポジションが歴史的水準まで積み上がっていると指摘していた。
これは、投機家が長期・超長期金利上昇を予想していることを暗示している。
ガンドラック氏は、トランプ大統領がドル安を望んでいることも一因となり、ドル・ロングは失敗に終わると予想した。

世界最大のヘッジファンドBridgewater Associatesのレイ・ダリオ氏は、次の景気後退期ドル危機が起こりうると予想した。このまま政策を誤れば、ドル相場は簡単に30%下げうるという。
「景況感がいいというのは将来を指し示す指標ではない。バブルは熱狂を生み、みんなすばらしいと感じるものだ。」
ダリオ氏はブル-ムバ-グで、雰囲気に流されてしまう市場心理を警告した。
日々メディアでは弱気相場入りの時期にかかわる報道が続く。米経済は絶好調、米市場は最高値圏にある中、弱気派は時にキワモノ扱いをされる。経済・市場が絶好調の中で何を言っているんだといった具合に。
ヘッジ・ファンドの帝王ダリオ氏にしても同じこと。
そうした情緒的な突っ込みに対し、ダリオ氏は過去のバブル期を思い起こすよう促している。
ダリオ氏は次の景気後退期が1937-40年と似たものになるだろうと話す。
今回の景気後退は2008年とはかなり違ってくるだろう。
「前回のように急激・過酷なものになるのではなく、だらだら続くようなものになるだろう。・・・債務危機というよりはドル危機になるだろう。」
学界におけるバブルの専門家 ロバート・シラー教授は以前、今回の強気相場がリーマン危機とは異なる市場心理にあり、スパイラルな下げの要件は揃っていないと話していた。
投資の世界におけるバブルの専門家 ジェレミー・グランサム氏は以前、次の弱気相場がゆっくりと不完全に萎んでいくものになる可能性を口にしていた。
ドル危機を予想する人はそう多くはないが、変化を先取りしたがるピーター・シフ氏は以前から同予想を続けている。
一方、市場の条件反射はそう崩れないと見るのがジム・ロジャーズ氏で、次の危機では従来どおりドル高になると予想している。
ダリオ氏がドル危機を予想するのは、今後、米国債の需給が急激に悪化する可能性が高いからだ。
トランプ政権・共和党の減税・歳出拡大によって国債発行は今後高止まりする。
一方、FRBがバランスシート正常化を続けるなら、米国債の最大の買い手であったFRBがいっそう買い方を緩めることになる。
「もしも金利が上昇しすぎると・・・これは常に起こることで、借金を制限する働きをするのだが、これが経済の弱点になる。」
ダリオ氏の経済観は、信用創造が経済を成長させ、その変化が景気を循環させるというものだ。
その観点から言えば、市場が織り込む以上の金利上昇が経済を悪化させるのは当然。
これを防ぐために、外国人に米国債を買ってもらうことになる。
しかし、ダリオ氏は、過度な金利上昇を防ぐほどには外国人投資家はついてこないと予想する。
ドル安による為替損のリスクを海外投資家が気にするからだという。
結局、そこでFRBの出番となってしまう。そこでFRBは通貨を増発し、国債を買い入れマネタイゼーションを行うことになり、それがドルの減価を引き起こしうるのだという。
その期間では簡単に30%の減価ぐらい起こりうる。
ダリオ氏は政府の政策を批判する。
米国は世界一の準備通貨を擁し、自国通貨で資金調達ができるという特権を得ている。
それなのに、米国は過剰債務によってその特権を失うリスクを冒しているという。