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GBP/CAD ポンドショ-ト

2019年3月29日をもって英国のEU離脱が成立する。しかし、EUと英国が合意したブレクジットの条件では、2019年3月29日から2020年の12月31日までを移行期間とする。この期間中、英国はEU加盟国でなくなり、EU政策の決定プロセスに参加はできないが、 EU法や政策、貿易協定が適用される。
英国はブレクジット移行期間後の新たな貿易協定を "段階的に批准"する用意があるとしている。このことは英国政府は貿易協定批准の代償として清算金支払いをEUに認めたと取れる。約400億ポンドに及ぶEU離脱清算金支払いを拒否すれば貿易交渉は決裂する。
通貨ポンドにとって、英国のEU離脱は悲観材料でしかなく、好材料は無いに等しいものと個人的には推察している。2016年のポンド急落が「第一次ブレグジットショック」だとしたら、2019年3月離脱までに「第二次ブレグジットショック」があるのではないかと予想してみます。
ポンドを悲観視して売るにして、では何の相手通貨を買うか?円、ドル、ユーロ、スイスフラン、豪ドル、加ドルといろいろと考えたのだが、おそらく意外だと思われるかも知れないがカナダドルとしました。
現在の原油高がすぐに収まる気配はなく、今はシリアが騒がしいが、どうもサウジアラビアとイランが怪しい雰囲気に思えます。
そして、カナダの金利動向ですが、4月18日にカナダ銀行(中央銀行)は、政策金利を1.25%に据え置きました。声明文では、賃金の伸びやインフレ動向を踏まえ、時間とともに追加利上げが必要になる可能性があるとの認識を示しました。従来のスタンスである物価や賃金圧力に関する慎重な文言が変更され、ややタカ派的なスタンスへ変更されました。その上で、今後入手される経済指標を踏まえ、先行きの金利の経路に関しては引き続き慎重であり続けると表明しています。
そして、カナダの懸案事項である北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、合意に達する交渉の着地が視野に入ってきました。19日にカナダのフリーランド外相は米国NAFTA再交渉について、自動車分野の原産地規則に関して前進しているとの認識を示しました。NAFTA崩壊のリスクが更に後退したと見られ、カナダドルにとって好材料です。
そして、輸出の約3割をエネルギー関連製品が占めるカナダ経済にとって、原油価格の上昇、高値安定は好材料です。

GBP/CADの動きは、円安相場ならポンド高カナダドル安、円高相場ならポンド安カナダドル高の傾向にあります。必ずしも一致はしませんが、世界経済が成長減速へ向かうとすれば、この通貨ペアでポンド売りカナダドル買いでいいように思えました。
まぁ、どうなるかは今後1年間の損益でわかりますが。
    

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