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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

ブル相場からベア相場へ

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米国では金融引き締めが続いている。利上げによって政策金利は2%まで上昇し、それに加えて量的緩和を逆回転させるマネタリーベース縮小は、量的緩和と同じ速度で世界の金融市場から毎月資金を引き揚げ続けている。
マネタリーベース縮小とはFRB連邦準備制度)が米国債などの保有額を減らし、その分は市場に任せるというものだが、それで影響を受けるのは米国債だけではなく、世界市場の様々な金融資産からの資金移動を伴う。
現在、量的緩和とは真逆でマネタリーベースを縮小しているのだから、株式市場にとって量的緩和と同じ規模のマイナスとならなければ理に合わない。この理を信じられないのは、リーマンショックさえ経験したことのない、上げ相場しか知らない若手投資家だけでしょう。上げ相場しか知らない、そういう人たちがいずれfxの世界から消えていくことになります。
ドル/円は基本的には米国の実質金利に影響される傾向にありますが、利上げによって実質金利が上がったにもかかわらず、現在のドル/円の上昇はかなり限られたものになっている。
それは何故かと言えば、金融引き締め、金利が上がれば世界市場でリスクオフとなり、リスクオフとなれば、信用取引の資金調達通貨となっていた円などの低金利通貨(円を売って資金を調達する)が、ポジションの解消により買い戻され、円高となるからです。ただ、今はまだその初動に過ぎず、日本円より低金利国通貨であるスイスフランのキャリ-トレ-ドが一部解消されている程度に過ぎません。
今後、世界の金融市場には2つの方向性が考えられます。金融引き締めの弱気相場が米国市場にまで到達し、世界的なリスクオフになるか、そうなる前にFRBが金融引き締めを止めるかである。残念ながら、FRBが利上げをやめる時には、すでに実体経済が傷み出してからのことになるのが過去の経験則。過去の例では、FRBによる利上げが止まり、しばらくすると景気は悪化し、後退していった。
どちらにせよ、ドル/円には悪い材料しかありません。世界的な弱気相場となればリスクオフで円高となり、米国の金融引き締めの終わりはドル安となる。どちらにしても、ドル/円は下落するということになります。
さらに、時間軸で捉えれば、日米インフレ格差から少しづつ円高ドル安の調整が加わっています。
米国株式市場(S&P500種指数)において、強気(ブル)相場の日数が史上最長記録を更新しま した。これまでの最長記録は3,452日でITバブル期を含む1990年10月から2000年3月まででしたが、今回8月22日の時点でリーマンショック後の2009年3月9日から始まった上昇相場は3,453日目となりました。
いつまで続くのかはわかりませんが、上昇し続ける相場はありません。著名投資家ジェイコブ・ロスチャイルド氏は、「もうリスクを取る時ではない、株価は量的緩和で底上げされている」と、FRBによるマネタリーベースを縮小を懸念しています。
今回の未曾有の世界的金融緩和によるバブルマネ-が解消されていく初動は、過去の経験則通り、新興国からの資金流出でした。
相場では高リスク資産から順番に資金流出が観られるので、まずは新興国から資金が流出し始めたわけです。これは通貨、株式、債券を問わず観られる現象、経験則です。

さて、ドル/円。
111.5円あたりで新規売り参戦したポジションを利益確定としました。
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ドル/スイスも、スイスフランキャリ-解消の動きが続いています。

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