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ドイツ30年国債入札はマイナス利回り「不吉な兆し」か

ブル-ムバ-グ
ドイツ連邦国債30年物(表面利率0%、2050年償還)の入札が21日実施された。世界初となる利払いのない30年国債の入札は、応札額が予定していた発行額に届かない「札割れ」となり、ドイツ債務管理庁は予定額が「大き過ぎた」可能性を認めざるを得なくなった。
平均落札利回りはマイナス0.11%とドイツ30年国債としては史上初のマイナス圏に突入。応札額は予定額20億ユーロ(約2364億円)の3分の1余りにとどまる8億2400万ユーロだった。今回の結果は、欧州諸国のマイナス利回りがついに国債需要を損ないつつあるのではないかという状況をうかがわせる。全世界では16兆ドル相当を上回る証券の利回りがマイナスとなる中で、グローバルな債券相場の上昇が止まりかねないと示唆する新たなサインとも受け取れる。
INGグループの金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブベ氏は、欧州の債券発行の閑散期が終わる来月に目を向け、「これは現物債にとって不吉な兆しだと広く判断される」と指摘。「景気を再び拡大させる中央銀行の能力への不安というファンダメンタルな要因がなおそこにある」とした上で、今回の結果が「長期債利回りのターニングポイント」かどうかについては、まだ結論は出ていないと分析した。 

「全世界では16兆ドル相当を上回る証券の利回りがマイナス」、言い換えれば、「10年債より長期でもマイナス利回りが妥当」と観始めているのが、現在の投資家心理だということです。
現在をリ-マンショック時の頃よりもマシなどと考えているのは短絡的。世界金融危機ではせいぜい「10年先」まで悲観的だった観方が、現在は「数十年先」まで悲観的な観方になってきているということか。
それは、中国が米国という超大国に肩を並べるような国に成長している中、その中国の成長がもう終わるという「絶望感」の表れと言えるのでしょうか。
バブル経済が永遠に続くことはない。日本もそう米国もそう、膨らんではハジける、それが景気循環サイクルであり、過去の経験則である。中国だけは例外、そんな都合のいい話などはあり得ません。

ちなみに、今現在の30年債利回りを確認。
日本 30年  0.185%
中国 30年  3.708%
オーストラリア 30年  1.545%
ドイツ 30年  -0.187%
オランダ 30年 -0.171%
フランス 30年  0.445%
イギリス 30年  1.013%
ギリシャ 25年  2.916%
スイス 30年  -0.553%
アメリカ 30年  2.040%
カナダ 30年  1.460%
南アフリカ 30年 9.930%

現在、ギリシャの25年国債より中国の30年国債利回りの方が高い。これはこれで面白い。

そして、トルコやアルゼンチンのようなデフォルトリスクの極めて高い国々には、超長期債の公示デ-タはない。
アルゼンチン 9年  25.053%
トルコ 10年 15.920%

ちなみに、日本国債でのプラス利回りとマイナス利回りの境目はというと、
日本 15年 -0.046%
日本 20年  0.089%
と15年債まではマイナス利回りとなっています。