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ユ-ロ/円 122円割れ 囁かれているABCDショック

今夜、期待通り、ユ-ロ/円は122円を割り込みました。
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大局的にはベア相場、直近ではG20・米中会談での期待が失望へと変わり、ベア相場へ再び転換している感じです。
何だかんだ、米中貿易戦争を含め、今回のリスク回避の動きは一種の「チャイナショック」と呼んでいいでしょう。しかし、そのショックに弱いのがアジア諸国以上に欧州だったと初めて気づく投資家もいるのかも。
特にドイツは中国との相互依存が大きいんですよね。

児玉克哉氏(社会貢献推進機構理事長)
メルケル・ドイツは中国との蜜月関係を持ち、それがお互いに大きな利益をもたらしてきた。10年余りの就任期間でメルケル首相が中国を訪問したのは実に9回だ。ドイツと中国との距離を考えると異常な回数だ。ちなみにメルケル首相の日本訪問はわずかに3回だ。
ドイツと中国の貿易は拡大し、ドイツ経済の成長の柱となった。中国は生産拠点としても、大市場としても魅力のある国であった。経済の発展が素晴らしい時には様々な不平等的な問題も隠されてきた。ドイツと中国は密接なパートナーとして活動し、中国はEU、つまりヨーロッパへの参入権を得た形になった。しかし、中国経済の成長が鈍ると、問題が噴出してきた。中国との貿易が停滞しながらも、ドイツ企業は撤退しようにも撤退できにくい状況に置かれる。しかし、中国の企業はドイツの優良企業を買収していく。中国家電大手の美的集団は、ドイツの産業用ロボット大手クーカを買収した。中国との貿易は好調な時には問題が隠されるが、不調になると問題が噴出してきた。
今、ABCDショックとも言われる。Aはアメリカ(America)で、アメリカのドイツ潰しやトランプ大統領誕生のリスク、BはイギリスのEU離脱で(Brexit)、Cはチャイナリスク(China Risk)で、Dはドイツ銀行Deutsche Bank)である。
好調だったドイツが一気に苦境に置かれつつある。これはヨーロッパ経済、ひいては世界経済に与える影響は大きい。次の首相が誰になるかも興味深い。



さて、欧州における悪材料として、この時期の猛暑もある。

欧州で猛暑 フランスでは「命の危険」
BBCニュ-ス
ヨーロッパ各地が猛暑に見舞われている。ドイツやポーランドチェコでは26日、最高気温が38度を超えるなど、6月の観測史上最高を記録した。さらに気温が上昇する可能性がある。
フランスやスイスなど複数の国では、40度を超えるとみられている。
気象学者によると、北アフリカから押し寄せる熱波により、ヨーロッパ各地で気温が急上昇した。
フランス当局は、生命に危険が及ぶレベルだと国民に警告している。同国では、2003年の熱波で1万5000人が死亡。政府は対策が不十分だったとして非難を浴びた。
スペインでも、一部地域で山火事の「重大なリスク」があるとして警戒を呼びかけている。
ドイツ東部ブランデンブルク州コシェンでは26日、同国の6月の気温としては最も高い38.6度を記録した。
ポーランド・ラジンでは38.2度、チェコ共和国・ドクサニでは38.9度と、それぞれ最高気温を更新した。
スイスでは高地のアルプスでさえ、30度を記録した。
気象学者は、この熱波は今後も強まる見通しだと警告している。
(CNN) 欧州を先週襲った熱波は週末も衰えず、英国からバルカン半島まで広い範囲で異例の暑さを記録した。
フランスの気温は6月28日に史上最高記録を更新した。
スペインでは28日、森林火災の焼失面積が40平方キロに達した。その後もアフリカからの熱風で40度を超える暑さが続いた。
英国でも今年に入って最も高い33度を記録。熱波はさらに東へ広がり、今週はクロアチアスロベニアハンガリーで気温が30度台半ばまで上昇する見通しだ。
 
まぁ、度を超えた猛暑は経済活動にも支障をきたすことでしょう。
これは一過性の要因だが、悪い時には悪いことが重なるものである。