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景気後退・円高の兆候を探る

まずは、ロイタ-記事から。

世界的な景気後退の予兆を告げる「9つの指標」
ロイター
米中貿易摩擦が先行き不安を助長し、主要中央銀行が新たな緩和策を準備しつつある中で、投資家は世界的な景気後退(リセッション)をいち早く警告してくれる指標がないか目を凝らしている。
米国のリセッションを予告する最も信頼性の高い指標の1つとされる国債利回りの長短逆転(逆イールド)は既に現実化した。ただ世界的なリセッションを予想するのはもっと難しい。ほとんどの国は米国ほど幅広いデータがそろっていないし、世界全体がリセッションに陥ったケースは少なく、直近の2009年の前となると1990─91年までさかのぼらなければならない。
とはいえ世界の人口増加や、貧しい国がより急速な成長を必要としている事情を勘案すれば、世界全体の成長率が2%を下回れば、リセッションに突入したと定義できるだろう。
国際通貨基金IMF)が見込む来年の世界の成長率を3.6%なので、リセッションが訪れるとは想定されていない。それでもIMFのチーフエコノミスト、ギタ・ゴピナス氏は「多くの下振れリスク」を挙げ、特に貿易摩擦を強調している。
アバディーン・スタンダード・インベストメンツのグローバル戦略責任者アンドルー・ミリガン氏は「われわれは、米国と欧州、中国が同時に力強く成長していた17年に見られた4%(成長)とはかけ離れた局面にいる」と述べ、世界経済のエンジン内部が変調をきたし始めているとの見方を示した。
リセッションの指標としてしばしば利用されるのは以下の9つの項目だ。
●1.米国の動き
世界最大の経済規模を誇る米国がリセッションに入れば、残りの地域もそれにならう公算が非常に大きい。だからこそ、米国で過去50年間、ほぼ必ずリセッションにつながってきた逆イールド(3カ月物財務省証券と10年物国債の利回り逆転)の発生に、市場がおびえている。
●2.李克強指数
中国の李克強首相は、経済成長の動きを把握する上で貨物輸送量、電力消費、銀行融資を重視するとされ、ファゾム・コンサルティングがその3つをまとめた指数を作成している。
同指数は07年に低下を始め、09年の世界的なリセッションをもたらした危機に先立つ形で08年に下げが加速した。
また15─16年に中国の「ハードランディング」懸念が高まった際に指数は2を割り込んで過去最低を記録。昨年は7前後、足元は5前後で推移している。指数導入は02年のため、1990─91年の世界的なリセッションはカバーしていない。
●3.貿易関連データ
経済成長が貿易の拡大に依存しているとすれば、警報が既に鳴り響いている。バルチック海運指数は2月に3年ぶりの低水準を付け、今も1年前の水準を40%下回っている。同指数は08年5─9月に約60%下落し、10年に一時戻した。過去最低水準は世界の成長が急減速した16年の約315で、現在は約1194。08年には818となる場面があった。
オランダ経済分析局(CPB)が公表した昨年12月の世界貿易量も、前年比で16年1月以降初めてマイナスになった。
●4.PMI
購買担当者景気指数(PMI)は、製造業とサービス業のトレンドを予想する上で信頼性がある。JPモルガンが算出する世界の総合PMIは現在、かろうじて節目の50を上回っているが、世界的な成長懸念が広がった16年以来の弱さだ。新規受注PMIは、12年以降で初めて50を割り込んだ。
ミリガン氏は「世界総合PMIが例えば53から48まで下がれば、それ自体が(リセッションの)十分なシグナルだ」と述べた。
●5.物価上昇率と債券
債券利回りと物価上昇率は通常、力強い成長が見られる局面で上向き、経済が悪化すれば下振れる。市場ベースの期待インフレ率、つまり5年先からの向こう5年の予想物価上昇率は今年になって急速に鈍化し、世界的な債券の指標であるブルームバーグ/バークレイズの指数に基づく7─10年債利回りは、16年以降の最低水準だ。
●6.金VS銅
銅は景気循環指標として相当な実績があり、金はリセッション時に保有価値があるとみなされているため、金と銅の価格比は経済成長の動きを知る手掛かりになり得る。非常に単純化すれば、景気悪化を見込む場合は銅が売られ、金が買われる。結果として、過去に成長懸念が広がった際には必ず金の価格が銅に対して上昇した。
●7.ディフェンシブ株需要
株式市場には、好景気で堅調に推移する銘柄と、経済に逆風が吹く局面で値動きが良くなる銘柄が存在する。前者は自動車メーカーや小売りなどの「景気敏感株」と区分される一方、景気が悪化する前には公益や主要消費財といったいわゆる「ディフェンシブ株」の需要が高まる。
●8.金融環境
ゴールドマン・サックスがまとめている金融環境指数(FCI)は、昨年10月に株安で16年以降最も引き締まった水準となった。足元はそれに比べると緩和方向に振れたが、まだ1年前よりもタイトな状況だ。米国のFCIは、貿易摩擦再燃で4月末以降に30ベーシスポイント(bp)上昇しており、これが続けば来年の成長率を0.25%ポイント押し下げるという。
●9.在庫
製品や機械への需要は、在庫・売上高比率でチェックできる。同比率の高さは売上高の減少と過剰在庫の存在を意味する。米国の在庫・売上高比率と、日本の電子製品の在庫率はいずれも今年になって一時3年ぶりの高水準に達した。

なるほど。
●1.の、ほぼ必ずリセッションにつながってきた逆イールドの発生は有名ですよね。
●2.李克強指数?知りませんし、中国の統計デ-タは信用できないため、分析しようとも思いません(苦笑)
●3.貿易関連データのバルチック海運指数はチェックしています。特に株価との関連ですが。
●4.PMI はこのブログでもよく採りあげています。個人的にも、各国の経済の強弱を知る上で重要視しています。
●5.物価上昇率と債券。一般的に、低インフレ、長期金利低下は景気悪化を示す兆候として有名ですね。
●6.金VS銅 ですが、これにはブレがあって『重要』というより『参考』にしたいという程度です。ただ、金とドルの価格の逆相関関係には注目しています。
●7.ディフェンシブ株需要 ですが、株をやらないのでよくわかりません。個人的には、日本の代表的企業のトヨタ自動車株を見ておけばいいんじゃないの程度の認識です(苦笑) 
●8.金融環境 ですが、あまり関心がありません。
●9.在庫 ですが、仕入→生産→在庫→販売 というサイクルの中で、モノがよく売れる、需要がある場合、生産→直販売というケ-スがある。また、企業の資金繰りが厳しくなると、在庫を抑えてキャッシュフロ-の改善を図ります。在庫増は要注意、それには同感です。

では、これ以外に参考とする個人的なデ-タ。
まぁ、今までこのブログで紹介してきたものです。
『景気サイクル』の諸波、過去の経験則についてはよく採りあげてきましたので割愛。
おそらく、私fxdondonのみが注目している(他では聞いたことがない)ものとして、
●木材先物価格と景気後退・リスクオフ相場の関係
https://blogs.yahoo.co.jp/max856482/35889744.html
があります。
●鉄鉱石先物価格とドル/円相場
これは初めて紹介すると思いますが、鉄鉱石先物価格の上昇は円高ドル安、下落は円安ドル高というデ-タがあります。いわゆる逆相関関係です。
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『山高ければ谷深し』という相場格言がありますが、株価も不動産価格も円安もすべてバブリ-なものであるため、谷底(円高)は結構深いものとなりそうだと思っています。