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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

バブル相場の匂い

ロイター
バブル相場の匂いが濃くなり始めている。発生源は中央銀行。欧米で金融緩和姿勢が鮮明化し、株高・金利低下が進んでいる。景気減速懸念は、金融緩和期待へと転化し、リスクオンの制御材料にならない状況だ。主要国の金利水準が急低下するなか、行き場を失ったマネーがギリシャ国債など高リスク資産にも流れ込み始めている。
ギリシアの10年国債利回りが2.5%を一時割り込んだ。財政危機が起きた2012年に40%を突破したこともある同国債だが、この1カ月で約1%ポイントの急低下。1カ月前に米国債が付けていた水準まで下げている。
ギリシャは昨年8月に国際支援プログラムを終了したが、債権団は財政目標の監視を続けている。ギリシャ中央銀行のストゥルナラス総裁は、同国は今年、債権団と合意していた基礎的財政収支の黒字目標を達成できない恐れがあるとの見方を示すなど、財政状況はいまだ不安定だ。
それにもかかわらず、同国の国債が買われるのは、投資家が利回りに「飢えて」いるためだ。
10年国債利回りはドイツで過去最低、フランスも初めてマイナス圏に入った。主要国の金利水準が軒並み低下し、十分な利回り確保が難しくなったことで、リスクのあるギリシャ国債にさえイールド・ハンティングの波が押し寄せている。
「2年債利回りの米国とギリシャの逆転が終われば、リスクオン相場も終わるのが過去の例だが、金融緩和相場はまだ始まったばかりの可能性もある。クレジットサイクルでみれば終盤だが、その終盤が長くなりそうな情勢だ」と、マネックス証券チーフ・アナリストの大槻奈那氏は指摘する。
株高の状況下で、金融緩和を示唆するFRB。市場では「中央銀行発のバブルの匂いがしてきた」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ投資ストラテジスト、藤戸則弘氏)との声も出始めた。
2000年のITバブルと、07年の住宅バブルをみると、米利下げ局面で、短期的に株価が上昇する場面はあるが、トレンドとしては下落している。株価が反転するのは、利下げが最終局面に入ってからだ。
また、金融緩和によって、名目金利が下がったとしても、インフレ期待がそれ以上に下がれば、実質金利は上昇し、金融活動の妨げになりかねない。
ある国内投信のポートフォリオマネジャーは「あすバブルが崩壊するというのでなければ、投資家は少々危ないと思っても、株高トレンドについていかざるを得ない。運用をある期間やめるということは、われわれにはできないからだ」と話す。
バブルであるなら、いつかは崩壊する。しかし、バブルの入り口か終盤かを見極めるのは極めて難しい。債券、株式ともに投資家は悩みながらの運用となりそうだ。

ふ~ん、ギリシャかぁ。欧州債務危機時の主役国でした。
主要国10年債の利回り
スイス -0.518%
ドイツ -0.318%
日本 -0.155%
オランダ -0.138%
英国 0.810%
オ-ジ- 1.287%
カナダ 1.484%
米国 2.031%
イタリア 2.136%
ギリシャ 2.428%
トルコ 15.36%
アルゼンチン 23.966%(9年債)