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ゴタゴタが続く英国

イギリスのジョンソン政権がEU=ヨーロッパ連合と合意した離脱の取り決めをほごにする法案を議会に提出したことについて、イギリスの首相経験者たちが、国際法に違反し国に恥をかかせるものだと厳しく批判するなど波紋が広がっています。

イギリスのジョンソン政権は、ことし1月に離脱する際、EUと合意していたイギリスの北アイルランドについての取り決めをほごにする内容を含む法案を今月9日、議会下院に提出し、これに対してEUはミシェル大統領が、13日、イギリスの「国際的な信用が問われている」とツイッターに投稿するなど反発を強めています。
この事態にイギリスのメージャー元首相とブレア元首相は、13日付けのサンデー・タイムズに共同で寄稿し、法案はEUとの合意内容に違反し、政府も国際法に違反することを公に認めていると指摘したうえで、「政府の行動は国に恥をかかせるものだ」と厳しく批判しました。
またメイ前首相も、国際的な信用が損なわれるおそれがあると懸念を示しています。
イギリスとEUは、離脱後の移行期間が年末に終わったあとの通商関係を定める自由貿易協定などを交渉中で、ジョンソン首相は来月15日を交渉期限としています。
今回の法案は、交渉を優位に進めるための戦略ともみられていますが、交渉が妥結しなければ来年から双方の貿易に新たに関税がかかるなど大きな打撃となるだけに、経済界を中心に危機感が強まっています。