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英EU交渉「進展なし」

毎日新聞

欧州連合EU)と英国は5日、自由貿易協定(FTA)など将来の関係についての第4回交渉会合を終えた。EUのバルニエ首席交渉官は終了後の記者会見で、「重要な進捗(しんちょく)はなかった」と語った。英・EUは、年末までの「移行期間」を延長するかどうかを判断する期限を6月末に迎える。行き詰まりの打開に向けて首脳間による会談を調整している。
 会合はテレビ会議方式で4日間の日程で行われた。交渉は▽一方的な規制緩和などで相手側に不利益を与えない「公正な競争環境」の確保▽英領海でのEU加盟国の漁業権▽安全保障協力――などの論点で停滞している。いずれも英・EUが昨年合意した「政治宣言」に大筋の方向性が盛り込まれており、バルニエ氏は「後退は受け入れられない」と英側の対応に不満を隠さなかった。
一方、英国のフロスト首席交渉官は5日に公表した声明で、「遠隔方式の交渉で実現できることの限界が近づいている」として、対面に切り替えて集中的に協議を行うべきだとの見解を示した。
英国は1月末にEUを離脱したが、激変緩和のための移行期間として12月末までEUと従来通りの関係を続けている。双方が合意すれば最長2年の延長が可能になるが、「延長の扉はオープン」だとするEUに対し、英国は年内の完全離脱に固執する。交渉が決裂した場合、英・EU間の貿易には翌年から関税が発生し、新型コロナウイルスの打撃を受けた欧州経済にさらなる悪材料となることが懸念される。
双方はFTAなしでの離脱を回避するため、10月末までの交渉妥結を目指す。