fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

製造業の苦難はこれから

NHK
新型コロナウイルスの影響で、従業員を休業させた企業が、中小の製造業では先月、少なくとも400件以上に上り、前月の約6倍に急増したことが労働組合の調査で分かりました。
機械や金属産業などの中小企業の労働組合でつくる全国組織「JAM」は、毎月、所属する約1800の組合に雇用の動向を尋ねる調査を行っています。
先月の調査結果が25日まとまり、それによりますと、従業員を一時的に休ませる対応が取られていると回答した組合が、少なくとも441件に上りました。これは、所属する組合全体の4分の1を占め、前月の約6倍に急増しています。
規模別で見ますと、先月から休業が始まった企業は、「100人未満」がもっとも多く182件、「100人以上300人未満」が120件と、300人未満の企業が大半を占めています。
JAMによりますと、自動車関連が特に目立ち、新型コロナウイルスの影響で海外からの部品の供給が止まるなどして、生産を止めざるをえないといった企業があるということです。
JAMの中井寛哉書記長は「影響が長引けば、賃金のカットや非正規労働者の雇い止めなど影響が広がる可能性がある。感染の第2波、第3波が来ると、中小企業は耐えられなくなることが懸念される」と話しています。
生産ラインの一部停止も
東京 大田区の町工場では、新型コロナウイルスの影響で海外からの部品の供給が滞るなどしたため、生産ラインを一部止めざるを得なくなり、従業員を休ませています。
この工場では、産業機械や半導体などの精密機器を製造していますが、中国からの部品の供給がウイルスの感染が拡大したことし2月以降、完全に止まっているほか、韓国から仕入れている部品も、これまでは数日で届いていたものが長い時には3週間かかるようになっているということです。
このため、組み立て作業が滞るようになり、生産ラインを一部止めて休ませる従業員を徐々に増やしてきましたが、最近は、従業員約20人を全員、休ませる日を月に3日ほど作っています。
先月の売り上げは、例年と比べて2割から3割ほど落ち込んでいる一方、雇用を維持するための助成制度、雇用調整助成金は申請したものの、まだ振り込まれていないということです。
三津海製作所の渡邊幸一社長は「工場を開けると人件費だけでなく、光熱費やガス代も必要になることから、月に何日か休んでもらい、その間は100%の休業補償を出しています。海外のほうが人件費も安く済むので、向こうで作れる部品は頼んでいたのですが、新型コロナの影響で部品が入ってこなくなり、とても厳しい状況です。早く終息してもとのように戻ってほしい」と話していました。

専門家「いよいよ急激に悪化する局面に」
新型コロナウイルスの製造業に与える影響について、野村総合研究所木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「最初に影響が出始めた飲食業や観光業から製造業にも広がり、いよいよ雇用情勢が急激に悪化する局面に入ってきた」と話しています。
また、経済の悪化に対して、雇用の調整は遅れて出てくるため、今後、休業者だけでなく、失業者が増えるおそれがあるとしたうえで、「企業は短期間で解決するだろうと思い、最初は雇用を維持しようと頑張るが、元に戻らないことがわかってくれば、本格的に人を減らすことになる。大企業の下請けとなっている中小・零細企業から失業者が出始めると思うので、今はそうならないよう企業を支える必要がある。雇用調整助成金がいちばん重要で、政府は制度の機能を高めることを第一に進めてほしい」と話しています。