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米ドルのジャブジャブ政策はドル基軸体制の強化へ

ロイタ-

財務省は、新型コロナ対策として打ち出した景気対策の財源を確保するため国債発行を大幅に増やしているが、米連邦準備理事会(FRB)は2月以降、2兆ドル以上の国債買い入れを行っており、市場の安定化に寄与している。今後、ペースは落ちるものの、国債住宅ローン担保証券MBSモーゲージ債)の購入を続ける。
FRBは今月に入り、大手銀行の補完的レバレッジ比率(SLR)規制を一時的に緩和し、銀行が保有する米国債FRBに預ける準備預金を同比率の算出から除外することを認めると発表。市場に安心感を与えた。
BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の米金利ストラテジスト、ジョン・ヒル氏は「これは明るい一歩で、市場で注文をつなぐ仲介やマーケットメーキングを支援する」と評価。その上で、「ただ、結局のところ米国債市場は世界最大であり、今後さらに大きくなる」と指摘した。

 

一部投資家の間では、米国債の大量発行で国債価格は暴落するとか、言い換えれば米ドルの大量発行で米ドルは暴落するとか、そんな考えを持つ人がいるようです。
基本的な考えは間違っていないのですが、現時点でそう考えるのは時期尚早だということです。
米ドル紙幣をジャブジャブばら撒くから米ドル安、という考えは短絡的であって、米ドルが他の通貨に姿を変えず米ドルのまま流れていれば、ジャブジャブばら撒こうとも米ドルの価値は変わりません。
もちろん、インフレ分の貨幣価値の低下は避けられませんが、それは他国通貨も同様であり、米ドルだけに限ったことではありません。
これから実体経済での負の清算が行われるわけですが、現状の米ドルばら撒きも規模的には全然足りないでしょう。このへんの観方の違いが米ドル悲観と楽観の相違につながっています。
これから実体経済のみならず、先ほどの記事にあったように、今後も複数の国がデフォルト(債務不履行)に陥る負の清算が行われます。
現在まで弱い米国経済の状況に目が行きますが、「米国がクシャミをしたら、今後世界各国がどうなるか?」という経験則がわかっている人にとっては、まだ米ドル悲観に動くことはないでしょう。