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英国家庭の約5分の1で、子供たちが十分な食事取れず

英国では3月23日からロックダウンが実施されているが、その影響で英国内では何百万人もの人々が十分な食料を購入することができず、空腹を味わう子供達のいる世帯数が倍増したという。
英『ガーディアン』によると、学校が休校となったため、低所得家庭向けの無料朝食や無料給食サービスに依存している子供たちが危機に面しているという。
非営利団体「フードファンデーション」は、子供がいる世帯の約5分の1は、ロックダウンが始まって以降5週間の間、十分な食糧を手に入れることができず、食事を抜くなど、子供たちが十分に栄養をとれていない実態を訴えている。ひとり親家庭の30%と、障害児のいる家庭の46%は、食糧不安に直面しており、家で基本的な栄養必要量を満たすことが難しいと感じていることが調査で分かった。
大家族、ひとり親家庭、障害児のいる家庭などで、低所得の家庭は十分な食事をとるだけでなく、孤立と収入の喪失との戦いにも追われているという。
そこで、学校が再開するまでの間、低所得家庭の生徒には週15ポンド相当(約2,000円)の食料引換券を提供している。しかし、多くの親は引換券をダウンロードすることができず、ダウンロードすることができても、いつも買い物している近所のスーパーでは引換券を受け付けてもらえないなど、課題が山積しているという。
フードファンデーションによると、ロックダウン前に「無料朝食クラブ」に登録していた621,000人の子供のうち、136,000人だけが代替サービスが提供されているという。また学校の無料給食を受給する権利を持つ子どもの31%は、まだ代替サービスを受けておらず、50万人以上の子どもが支援のない状態にあるという。
英『BBC』によると、英国政府は、一部の家族にとって、食糧引換券を受け付けている店まで行くことは便利ではないことを認識していると述べ、食糧引換券を受け付けてもらえる地元スーパーを追加できないか検討作業をすすめているという。それまでの間、生徒には、無料の食事を提供するよう各学校にランチパックを用意するよう勧告している。
しかし、子供を「無料学校給食」制度に登録していない家庭も、食糧供給のためにフードバンクに頼り始めており、食料品を提供している慈善団体に大きな負担がかかっているという。
英国最大のフードバンクネットワークである「トラセル・トラスト」は、3月後半の2週間で、緊急時の食料品配布が昨年比81%増になったと報告している。仕事の収入減が増加の主な理由だという。
フードバンク「エディブルリンクス」の代表ソニア・ジョンソンさんは、これまで十分な収入のあった家庭、フードバンクに頼ったことのない人々が、突然危機に直面し、助けを求めに来るケースが増えていると指摘している。中小企業の経営者、または美容師やカフェの経営者など個人事業主が多く、新型コロナウイルスの流行以来、フードバンクの需要は週に20%増加しているという。