英国の労働市場、「ぞっとする」崩壊に
英国の労働市場、「ぞっとする」展開に-失業者5倍増の予測
ブルームバーグ
●実質失業率は20%前後に上昇へ-NIESR報告書
4月の総合PMIは12.9、金融危機時をも下回る
英国の失業者数は5倍に増える見通しで、ロックダウン(都市封鎖)が長引くほど以前の職を取り戻すことが難しくなると、労働市場を専門とする著名エコノミスト2人が指摘した。
英国立経済社会研究所(NIESR)の報告書によると、一時帰休も含めた同国の実質失業率は20%前後にまで上昇する見込み。現在は3.9%だ。
ダートマス大学教授で元イングランド銀行政策委員のデービッド・ブランチフラワー氏とスターリング大学教授のデービッド・ベル氏は、「労働市場に今後待ち受けているのは、ぞっとするような展開だ」との見方を示した。
新型コロナウイルス対策のロックダウンで経済活動は停止し、経済は金融危機時よりも速いペースで縮小している。IHSマークイットが23日発表した4月の英総合購買担当者指数(PMI)は12.9と、過去最低の水準を付けた。
英政府統計局(ONS)が23日発表した別のリポートによると、今月5日時点で国内労働人口の約27%が一時帰休となっていた。企業の25%前後が営業を一時停止し、一時帰休はホテル、食品サービス、建設業で最も広がっているという。政府は一時帰休となった従業員の給料を80%肩代わりすることを提案している。
まぁ、英国の雇用破壊はブレグジットでほぼ決定づけられるが、今回のコロナショックでその時期が早まった。
それでも市場は、まだ英国経済を楽観しているようで、ポンド売りに傾いていない。