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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

今はドル紙幣を莫大に刷ってバラ撒いてもドル安にはならない

米国では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた中小事業者向けに用意した政府の経済対策の資金が足りなくなり、トランプ大統領は追加の資金枠を確保することで近く、野党・民主党と合意するという見通しを示しました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響に対応するため、米国では先月、日本円換算で総額230兆円に上る過去最大規模の経済対策が成立しました。
このうちの37兆円分は、休業などに追い込まれた中小事業者を対象に、従業員の雇用を維持して給与の支払いを続けるための資金として貸し出されることになりましたが、申し込みが殺到し早くも資金が足りなくなっています。
このためトランプ政権は追加の資金枠を確保するよう議会に求めていましたが、これについてトランプ大統領は19日の記者会見で「中小事業者のために野党・民主党と交渉し続けているが、合意は近いと思う」と述べ、近く、民主党と合意するという見通しを示しました。
これに先立ってムニューシン財務長官はCNNテレビに出演し、追加の資金枠は3000億ドル、日本円でおよそ32兆円規模に上り、民主党側と協議していると明らかにしました。
トランプ政権としては追加の支援策を早期に実現し、中小事業者の不安や不満を和らげたいねらいですが、一連の経済対策によって経済の落ち込みをどこまで食い止められるかが市場の関心事になっています。私fxdondon同様、230兆円では全然足りないと観ている筋もいるようですが。
このような2.3兆ドルものドル紙幣を大量に刷るのだから、ドルの価値が希薄化する、つまりドル安になるとの観方があるようですが、私fxdondonから言わせてもらえば全くナンセンス。3兆ドルだろうが5兆ドルだろうが、米ドルが米ドルのまま世界に流れていれば価値は不変。米ドルと他国通貨が交換されて、はじめてドル安になる。
今、必要とされているのは米ドル紙幣。他国通貨ではない。世界で最も流動性の高い米ドル紙幣です。
世界的な企業債務危機新興国債務危機、欧州債務危機と、債務という債務がデフォルトによる清算を経て、ようやく米ドルの必要性が無くなる。たかだか現在のコロナショックなど、『ニ-マルショック』の1事象に過ぎない。その先にある歴史的危機を終え、世界の基軸通貨ドルの重要な役目を終えてから、今度は歴史的なドル安になる。そう、観ています。