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南アフリカ 国債デフォルトなるか?

南アフリカランドの動きを、格付けの変化から観てみる。

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三大格付け会社が格付けを現状維持とし、見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた時点では、相場の動きも限定的だった。

2020年3月27日、米格付け会社ムーディーズは、南アフリカの格付けを「Baa3」からジャンク級となる「Ba1」に1段階引き下げ。見通しは「ネガティブ」と、近いうちにもう一段の引き下げを含ませている。ム-ディ-ズの見解は、継続的に財政は悪化し、構造的問題により経済成長は非常に弱いと判断した。

南アフリカがジャンク国・劣悪国に位置づけされた影響は大きく、南アフリカ10年債利回りはトルコ10年債利回りを上回った。

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さすがに、南アフリカ10年債利回りが12%を超えて、一部の投機筋は10年債を買いに動き、国債利回りは低下してきている。

ただ、投資適格級を運用対象とする堅実筋(商業銀行や債券ファンド等)は南アフリカ国債を手放すことに迫られている。即売却の動きと、国債償還をもって再投資しないという2つの動きが出てくる。

これから、南アフリカ国債はさらなる格下げはあっても格上げはない。先進国では新型コロナウィルス対応の財政支援は好材料と評価されるが、新興国の中でも南アフリカ政府による財政支援は悪材料と評価される。過去を観れば、デフォルト常連国であるため、それは仕方がない。

さらに、南アフリカの外貨準備高というのは、貿易取引や商取引で獲得した外貨ではなく、政府が自国通貨ランド売り外貨買いで増やした「見せかけの外貨準備」だからです。まぁ、日本の外貨準備もそうですが。

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南アフリカ財政支出の一部は、外貨(主に米ドル、ユ-ロ)購入に充てられています。

対外債務の返済において、商取引で得た外貨では不足が生じ、政府が外貨を調達して対外債務の返済を進めていくしかありません。

これから、南アフリカ政府は税収減により、かなり苦境へと追い込まれます。南アフリカ政府が国債の利払い、あるいは償還を拒否するデフォルトを選択するかは、今後の世界経済の動向にかかっていそうです。