fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

ニ-マルショック by fxdondon

ここまでの外為相場概況

ここまでの相場概況を、私fxdondonなりに書いてみます。
今年に入っての相場ですが、過去のこのブログ記事を観てもらえば明らかですが、2020年危機・ニ-マルショックが引き起こされるという予測が現実のものとなりました。
もちろん、何が原因・起因でニ-マルショックが引き起こされるのかまではわかるはずもありません。すべては景気循環サイクル、過去の経験則によって、2020年がショッキング・イヤ-になる可能性が非常に高かったということです。
これまでの相場を語る上では、コロナウィルス騒動が最大の分岐点になりました。
つい先ごろまではリスクオン全盛で、米国経済は減速しながらも好調さを持続していますので、米ドル資産全面買いの様相となり、米国では株高・債券高・ドル高のトリプル高が続いていました。「米株、米債、米ドルを買っておけば安心」というドル神話ですね。 私fxdondonもその一人で、「米ドルを買っておけば安心(対円、スイスフランは除く)」という認識でした。
ところが、コロナウィルス汚染が世界に拡散していく中、相場は大きく変わりました。
ただし、この「コロナショック」にも2段階の動きがありました。コロナウィルスを甘く観ていた時期と、現在のように深刻化した時期とに区別されます。
コロナウィルス拡散当初、世界保健機構(WHO)は「脅威ではない」という見解を示していました。市場も、ひとつの例では、「500人の新規感染者10人の死亡なら『買い』、3000人が新たに感染200人が死亡なら『売り』というアルゴリズムを駆使した超高速のコンピューター取引でリスオン相場でした。『買いが買いを呼ぶ相場』ですね。
たとえば、日本国内で感染者拡大でも、その初動は円売りでした。ドル/円が112円まで上昇しましたね。
しかし、想定以上の拡大で、アルゴリズムを駆使した超高速のコンピューターは一転「売り」を指示し、今までとは真逆の指示で「買われ過ぎの米ドルを売れ、売られ過ぎの円、ユ-ロを買え(買い戻せ)」となった。
世界保健機構(WHO)は感染者拡大の結果を受けて、「非常な脅威」と手のひらを返した豹変ぶりで、市場はなおさら混乱したようです。
米国では株高・債券高・ドル高のトリプル高だったものが、米国債の一点買いと米株・米ドル売りに傾きました。
これまでのところ、大きく動いたのは短期売買を行うような投機筋です。今後の展開を担うのは、機関投資家やファンドのような比較的長期間にわたって資金運用する筋の動きです。先般の米国の利下げ、そしてゼロ金利化は、資金運用筋にとっては大きな転換を余儀なくされます。おそらく、株式保有比率を下げ、債券保有比率を高め、自国通貨建て資産への逃避が進むものと観ます。俗に言うレパトリです。
リスクオン時代は「いかに収益を増やすか」が主眼になりますが、リスクオフ時には「いかに損失を減らすか」に主眼が置かれます。前回の世界金融危機をご存知の方なら、よくおわかりでしょう。
これからは、リスクオンに大きく傾いていたファンドは閉鎖に追いこまれ、それによって反対売買が観られそうです。高金利通貨から低金利通貨への資金逆流、株式から債券への資金移動、キャッシュ保有比率の上昇など、このあたりは前回の金融危機時の過去の経験則を参考とすればいいでしょう。
「利下げなのに株価下落」、今まで続いてきた相場とは違う現象に戸惑う人もいるようです。おそらくは、前回の金融危機時を当事者として知らない人なんでしょうね。相場はショックの度合いによって、ある水準を超えるとリスクオンとリスクオフが切り替わる。このあたり、残念ながら明快な基準や理論はありませんが。
前回の世界金融危機時でも、2007年夏にパリバショックというものが起きたり、当時ポツポツと中小銀行が潰れていたにも関わらず、2007年秋頃にはNYダウ平均は当時の史上最高値を更新しました。『根拠なき熱狂』とも言われます。ちなみに、パリバショックは、2007年8月9月にBNPパリバ系列のファンドが解約停止措置を発表したことにより金融市場が大きく混乱した出来事です。
その後、事の重大性から『根拠なき熱狂』も現実を直視するしかなく、株価は下落し続け、2008年にはリ-マンショックを迎えました。
株価については2008年に底を打ったが、外国為替相場の動きはそうではありません。ドル/円の底値は2011年と、株価の底に遅れること3年でドル/円の底(1ドル76円)を打った。通貨価値の変動というのは、株式、国債社債などの債券、不動産、貿易、設備投資、個人消費金利やインフレ動向とあらゆる取引が通貨を通して行われるため、株式取引という1つの側面だけではとても語れません。
最後に、私fxdondonの言うニ-マルショックとは、現在のコロナショックのことを言っているのではなく、中国のバブル経済崩壊、再び米国のバブル経済崩壊を含めて推測しています。その背景には、『歴史は繰り返す』『万物は流転する・景気は循環する』『過去の経験則』があります。