fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

オ-ストラリア 貿易黒字続く

豪ドル安が続き、引き続き貿易収支でも黒字が続いています。

 

f:id:fxdondon:20200305165014p:plain

この貿易黒字は、オーストラリアのGDPの拡大に寄与しています。

 

レッグ・メイソン・アセット・マネジメント

豪州の2019年10-12月期の実質GDPは前期比+0.5%、前年比+2.2%となり、市場予想(前期比+0.4%/前年比+2.0%)を上回る経済成長が示されました。
今回のGDP統計では、豪森林火災や新型コロナウイルスの問題が深刻化する以前の豪州経済が、金融緩和や所得税減税などの政策を追い風に底堅い景気回復へ転換しつつあったことが確認されました。
10-12月期の民間消費が堅調な回復を示した背景には、2019年7月から実施された所得税減税の効果が遅れて顕在化した可能性があると考えられます。
豪州の家計は2019年7-9月期に所得税減税の還付金を受け取ったものの、消費への慎重姿勢から還付金は貯蓄へ回されました(貯蓄率が4.8%へ上昇)。このように、減税により潜在的な消費余力が増しているところに、2019年11月末のブラックフライデー以降の年末商戦を契機に民間消費が底堅さを取り戻したと考えられます。
今回の10-12月期のGDPでは、森林火災や新型ウイルスなどの特殊な要因がなければ、豪州経済の実態は底堅さを維持していることが示唆されました。
2020年1-3月期のGDPは急減速する公算が高まっているものの、豪州政府・中銀の協調的な景気刺激策によって景気底割れが回避されるかに注目が集まりそうです。

豪州準備銀行(RBA)は3月3日、政策金利を0.50%へ0.25%引き下げる決定を下しました。
RBAは声明文において、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大への対応策として、景気下支えのため利下げを決定したと表明しました。
RBAは先行きの金融政策に関して、「景気支援のため追加の金融緩和の用意がある」との方針を示しています。直近の市場予想では、RBAの政策金利は2020年7-9月期にも0.25%へ引き下げられると見込まれています。
今後、RBAが追加利下げに踏み切るかどうかの焦点は、2020年1-3月期の豪州景気の行方に集まりそうです。