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中国発 世界のデフレ圧力

ブル-ムバ-グ
●中国の生産者物価指数、10月は4カ月連続で前年水準割り込む
●2014-16年当時と類似の事態が見込まれる-ユリゾンSLJ

中国の工場が世界中の物価を再び押し下げようとしている。中国製品のコストが2016年以来最大の下落となっているためだ。
中国経済がほぼ30年ぶりの低成長となる中で、エネルギーコスト下落が重なり、中国の生産者物価指数(PPI)は7月から10月まで前年同月比でマイナスが続いている。インフレ加速を図る世界中の中央銀行にあらためて難題を突き付けている。
クリスマスが近づく中で海外の消費者には中国製品の値下がりは恩恵だろうが、全体的に見れば利益確保のため外国企業は中国勢と競い合わざるを得ず、世界が物価下落のスパイラルに陥る事態となりかねない。このため、米中貿易戦争の緊張が一段と増す恐れもある。
ユリゾンSLJキャピタルのスティーブン・ジェン、 ジョアナ・フレイレ両氏は「インフレが一段と世界的要因によって左右されるようになっている。特に中国発のディスインフレの波によってだ」と指摘。弱い内需と米国との貿易を巡る緊張、景気刺激策の欠如で露呈している「過剰生産能力を中国が輸出している状況に関連している」との見方を示した。
両氏は最近の中国PPIの落ち込みが欧米のインフレ率を圧迫し、2014-16年当時と類似の事態が見込まれるとする。ドイツと日本、韓国、米国の生産者物価はすでにデフレ状態だ。


中国汽車工業協会(CAAM)が集計した10月の自動車販売台数は前年比4%減と、16カ月連続の減少となった。
9月は5.2%減、8月は6.9%減だった。
中国上海市で開催されていた第2回中国国際輸入博覧会に付随する形で行われた自動車産業フォーラムで、政府関係者から今年の新車販売は2014、15年の水準にとどまるとの見通しが示された。

 

中国の生産者物価指数(PPI)の伸び鈍化は、企業の利益や債務返済能力を損なうデフレに中国が再び陥るといった懸念を再燃させる。長期的には、中国のデフレは輸出を通じて世界のインフレ見通しを圧力にさらす恐れがある。