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米金融市場変調、危機前と相似

ブル-ムバ-グ
このところの金融市場は、2007~08年の騒ぎを再現しているかのようだ。9月第2週はモメンタム投資で大規模な巻き戻しが起き、ファクター投資は大打撃を受けた。07年夏にクオンツ投資が被った状況に似ている。先週はレポ金利が急騰し、ニューヨーク連銀が約10年ぶりの翌日物システムレポ(自己勘定による売り戻し条件付き買いオペ)実施を強いられた。
何かがおかしいことは経験則から分かる。これらが同時に発生したのは偶然ではない。債券市場の極端な状況がこれらを生んだ。
ドル資金の調達が困難なことは近く問題化するかもしれない。低金利の環境下で、借り手は世界的にドル建て債務を膨らませている。ロンドンを拠点とするアブソルート・ストラテジー・リサーチのチャートは、中国を除く新興国市場でドル建て債務のエクスポージャーが過去最大に積み上がっていることを示している。

また、長期債の利回り上昇を見込んでいる投資家が、最近の短期金融市場の金利急上昇を助長した可能性があると、クーツ・アンド・カンパニーの最高投資責任者(CIO)、アラン・ヒギンズ氏が分析した。
2年物米国債と10年物のスプレッドが拡大すると見込む投資家が2年債を買い10年債を売るスティープナー取引が、銀行や一部ヘッジファンドの間で人気のあるマクロ取引になっていると同氏は指摘。この取引のほとんどはレポ市場で調達した資金で行われていると説明した。

2019年9月18日
ウォール街は17日朝、いずこも大騒ぎだった。重要な翌日物資金調達市場が突然干上がった。13日に始まった米短期金融市場の小さな揺れは急速にエスカレートしていた。
ニュージャージー州の比較的小規模なブローカーディーラーでスコット・スクリム氏は資金が枯渇していくのを感じることができた。「クレイジーだ!」とスクリム氏は叫んだ。市場全体が目を離すことができずにいる翌日物レポ金利が、一時10%に達した。1週間前の4倍だった。
2008年の金融危機以降、短期市場の金利上昇がこのような騒ぎを引き起こしたことはなかった。当局の対応も危機以来のものだった。
ニューヨーク連銀では、ベアー・スターンズリーマン・ブラザーズが危機に陥ったころ以来の介入だった。
17日の金利急上昇は2008年とは異なり、金融システムに問題があることの表れではなく、法人税の支払いや大規模な米国債入札が重なった結果だった。ただ、資金ひっ迫は技術的な問題の結果だとしても、金融当局が短期金利のコントロールを失っていることが浮き彫りになった。